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Hladna Predjlela / 冷菜

Ajvar / ローストパプリカのスプレッド

"アイヴァル"はセルビアの食卓には欠かせないパプリカペースト。クラッカーに載せてオードヴルによし、パンに塗って、肉に卵に魚介に添えて、パスタに混ぜて、何にでもあうスーパースター。ヨーロッパでは「セルビアの”畑のキャビア”」とも言われているそうです。

味噌のように各家庭で保存食としてつくられていたそうですが、近年ではスーパーで瓶詰が手軽に入手できるようになり、都市部ではあまり作られなくなったそうです。


Pecene paprike / ローストパプリカのマリネ

ペチェネパプリケはロースとパプリカのマリネ。これぞセルビア!というひと皿です。

丸ごと焼いたパプリカの皮をむき、ニンニク風味のドレッシングでマリネしただけの料理ですが、とろりとなめらかな舌触りは、まるでトロのよう。

日本ではサラダの彩りに使われることが多く、そのものをしっかり味わうことの少ないパプリカの旨味を堪能できます。

Serbian Nightでは、写真のセルビアと同じ先が尖った種類を契約農家さんに栽培してただいており、8-10月の旬の時期にお出ししています。

Turšija / ピクルス

日本の輸入食材店で手にするアメリカや西欧のピクルスと、中東からバルカン半島にかけて食べられる”トゥーシャ”とは少し風味が異なります。バルカンレシピは酢漬けというよりも塩漬け。ニンニクやホールスパイス、ハーブと一緒にカリフラワーやニンジン、セロリを漬け込みます。ディルの甘い香りがアクセント。

Tzatziki Salad / ギリシャのヨーグルトとニンニクのディップ

トルコ発祥のヨーグルトにニンニク、キュウリなどを加えた前菜”ジャージュク”は、バルカン地域でも好んで食されます。

ギリシャではザジキと呼ばれ、胡瓜をすりおろして水気を切り、ディルを入れるのが特徴。

ヨーグルトの水分も少なめで、それぞれの国の美妙な違いが興味深い料理です。

Tarator Salata / セルビアのヨーグルトとニンニクのディップ

トルコ発祥のヨーグルトにニンニク、キュウリなどを加えた前菜”ジャージュク”は、バルカン地域でも好んで食されます。

ギリシャではディルを入れるのが特徴。セルビアでは”タラトル”と呼ばれ、刻んだ胡桃が入ります。

そのほかにもヨーグルトの種類や水分量に美妙な違いが興味深い料理ですが、さっぱりとした副菜として肉にあわせるのもお勧めです。

Hleb / パン

Slavski kolač / 聖人の日の祝いパン

セルビアでは各街や家庭やごとに父系で受け継がれる守護聖人を持ち、正教徒はその記念日を祝います。ユネスコ無形文化遺産にも登録され、12月19日の聖二コラウス、5月6日の聖ゲオルギオス、1月20日の洗礼者ヨハネ、1月27日の聖サヴァなどが多く祝われているそうです。

教会での儀式のために焼かれる”スラヴスキ・コラチ”はキセルビア語でスラヴァケーキを意味し、神にささげる犠牲の象徴。

キリストのシンボルである十字と聖人に関係のあるシンボル(ハトやバラ、本など)を飾るのが常です。

食卓には聖人のイコン、スラヴスキコラチが並び、主の象徴であるロウソクの灯りがコリヴォまたはジト(žito)と呼ばれる小麦のペーストに立てられます。

どことなく日本のお盆に通じるものを感じませんか?

 

わたしは日本人で守護聖人を持たないため、セルビアの修道院で記念にいただいたイコンを飾ります。

 参考記事:守護聖人を祝うSlava(スラヴァ)の儀式

Pogača / 祝いパン

"ポガチャ"はセルビア語で「丸いパン」という意味を持つ伝統的なパンでお祭りや伝統行事には欠かせない料理です。

一家の繁栄を願い、結婚式には花嫁がポガチャを抱え、参列者が塩をふりまきます。

直径30cmほどの大きさで、さまざまなレシピのさまざまな形があり、セルビアンナイトでも何種類かお出ししています。

Česnica / クリスマスの祝いパン

ユリウス暦では1月14日が元旦。
セルビアではユリウス暦に則り、この日に新年を祝うそうです。

クリスマスはセルビア語でBožić(ボジッチ)といい、1月7日がその日にあたります。
Česnica(チェスニッツア)というパンを焼き、テーブルを囲んだ家族や親族で手を差し伸べてつかみ、一斉に引きちぎって中に焼き込んだコインを誰が引き当てるかで幸運を占います。

キフリツェと同じように薄力粉で焼くさっくりとした食感のパンです。

 

参考ページ "Meet the Serbs"

Lepinja / セルビアのピタパン

”レピニャ”は粉と牛乳、水にイースト、塩胡椒を加えてつくるシンプルなパン。日本でいえば白米のようなもの。
これが美味しくて、現地ではついつい食べ過ぎてしまうのですがサイズもかなりのもの。ちょっとしたクッションか、飛行機の枕くらい(笑)
おおらかなり、バルカンサイズ。 

Google検索すると日本語でも英語でもピタパンがヒット。こちらは中東由来でアラビア、レバノン、シリアあたりから来たらしく。インドやパキスタンのナンにも言及もありました。
ナンかー。生地を伸ばしながら、チャパティーのつくり方に似ていると感じていたのは、あながち間違いでもないようで。
バルカンは文化の交差点だと改めて感じた仕込み作業。

これを食べ慣れると、以前は大好きだったバターや卵がたっぷり入ったリッチなパンが重く感じられ、私の中ではたまに食べるごちそう的な位置づけになりました。

Srpska proja / セルビアのコーンブレッド

"プロヤ"という塩味のコーンブレッドは、最初にマスターしたパン。セルビアの代表的な郷土料理であり特別な友人に配るものだそうです。2018年1月に安倍首相のセルビア訪問時の晩餐会でもメニューに供されたそうです。

形からは甘いお菓子を想像しますが、とうもろこしの粉と強力粉、卵、牛乳と植物油にチーズ入りのしっかり塩味。お酒にもあうね、と必ず言われる人気者です。

日本で育たない地域でそば粉を育てていたように、セルビアではとうもろこしの粉を小麦で代用し、コーンブレッドは貧しい人の食べものとされていたようですが、いまでは一般的な食べ物のようです。

 

Kiflice / プチロール

キフリツェというセルビアのひと口サイズのパン。
ミニクロワッサンとよく似た見た目とサイズですが、ヨーグルト、サワークリーム、植物油でさっくりとした食感。
セルビアンナイトでは、黒ゴマはベーコン入り、白ごまはカッテージチーズ入りが定番。小さいけれど食べごたえのあるスナックです。

Uštipci / リカ地方のドーナッツ

クロアチアに旅行中、どこへ行っても出てくるこのドーナツが、はずれなく美味しくて、レシピを知りたいと考えていましたが、Bravo!

『イェレナと学ぶセルビア料理』に掲載されていました。

ニコラ・テスラの出身地である、クロアチア内のセルビア人居住区リカ地方のメニューです。

味の秘密は風味づけに使うラキヤとレモン。スイーツ好きだけでなく、ラキヤが好きな方にはぜひ試していただきたいドーナツです。

Pogacice / スコーン

セルビアのスコーンは、強力粉とバター、牛乳などでつくります。イーストで軽く発酵させてかりっと焼き上げ、ヨーグルトやクロテッドクリームとあわせるそうです。まさに「おばあちゃんのお手製おやつ」のような、日本人でも懐かしさを感じるお菓子です。

Supe i Corbe / スープ

Begova čorba/ 族長(ベグ)のスープ

ベゴヴァチョルバは、ボスニアとヘルツェゴヴィナの伝統的なオクラと鶏肉のスープです。

ベグ(ベゴヴァ)は、オスマン帝国時代の地方行政官で、支配階級を象徴する贅沢なレシピ。これにパンとサラダを加えてメインメニューとすることもできます。

日本では整腸作用と豊富なビタミンで人気のオクラは、精力剤として知られているとか。現地のオクラは日本のものよりもサイズが小さく、乾燥したものを水やレモン水で戻して使用するそうです。

Riblja čorba / ドナウ川の漁師風スープ

セルビアのスープには、しゃばしゃばの”ズッパ”、具だくさんの”チョールバ”の2種類があり、このピリ辛川魚のスープは”チョールバ”のほう。

山国のセルビアでは、魚料理といえば川魚。日本人ほど魚の種類にこだわらないため、どんな魚を使うか質問するとたいてい「なんでもいい」と言われます。

日本人としては、「ぇえー・・・せめて白身か赤身かくらいは教えて・・・」となるのですが、「1種類だけではなくできれば3種類以上混ぜて、アラを入れたほうが美味しいよ」とかね、そんなアドバイスをもらいます。

ということで、セルビア人化が進むわたしもその日の気分で買った魚でつくります。

Teleća čorba / 仔牛肉のスープ

美食の国のセルビアでは当たり前に手に入るけれど、日本では高価な食材を贅沢に使用するため、メニューに載せることを諦めていた料理のひとつがこのスープ。残念ながらオリジナルレシピの食材である、骨付き仔牛の首筋肉は手に入りませんでしたが、牛のステーキ用肩肉をぶつ切りにして、前日からことこと煮込み。仕上げにヨーグルトと卵で味を整えれば、思わずうなるひと皿です。

Paslj / ベーコンと豆のスープ

セルビアには"prosto kao pasulj" 「パスリのように簡単だ」という慣用句があるほど、旧ユーゴスラヴィアで愛される白い豆のスープです。

宗教的に肉食が禁じられている時期には豆と野菜のみで。たいていはベーコンやハムなどの燻製肉とともに煮込み、プレブラナッツと並ぶ冬の豆料理の代表です。

 

Krem čorba od Celera / セロリのクリームスープ

ポタージュといえば、ぱっと思い浮かぶ素材はじゃがいもやコーン、むらさきいも、かぼちゃ、といったところでしょうか。
こちらのポタージュの主役はセロリです。

セロリはセルビアのスープやソースにとてもよく使われる食材で、そういえば人気のハーブ調味料"Vegeta"や"Zatin C"の香りにもセロリの要素が。
冬は温かく、夏は冷製でお出ししています。

第二次世界大戦中から没するまで35年間大統領つとめ、旧ユーゴスラビアに最も影響を与え、大食漢で美食家でもあったチトー大統領も好んだスープということです。

Goulash / グーラーシュ

グーラーシュは戦火のセルビアを、食をめぐるエピソードの聞き書きでつづった山崎佳代子著『パンと野いちご』内でもたびたび登場する料理です。ハンガリーが発祥ですが、旧ユーゴスラヴィア全域で食され、元日本代表監督オシム氏の得意料理でもあるそうです。

牛肉のスジや赤身など、いくつかの部位を交えて朝からじっくり煮込んでお出ししています。

Pileći paprikaš sa noklicama / チキンと野菜のパプリカシチュー

”パプリカシュ”は、パプリカ風味のシチューです。こちらのメニューでは骨付き(←ここ大事!)チキンをたっぷりの野菜とともに煮込んでいます。骨から出る出汁と野菜の旨みを時間をかけて引き出す滋味あふれるシチュー。

ノクリツェという小麦粉団子が入り、秋田の「きりたんぽ」や「だまこもち」のような鍋物の雰囲気も漂います。珍しいけど、懐かしい、そんなセルビア料理の特徴を感る料理です。

Sladak kupus sa mesom / ポークとキャベツのシチュー

"スラダック"は、豚かたまり肉とベーコンと野菜をことこと煮込んで、じっくり味を引き出します。時間が料理を美味しくしてる、まさに時間が調味料のセルビアらしい煮込みです。

Kuvana Jela / 温かい料理

Sarma / セルビアのロールキャベツ

"サルマ"はバルカン半島の冬の定番料理。セルビアでは、このロールキャベツが上手にできようになると「сада се можеш удати(これでお嫁にいけるね」」と言うそうです。丸ごと乳酸発酵させたキャベツの葉を丁寧にむき、つなぎに使った米が柔らかくなるまでじっくりと火を通します。

具に混ぜたパプリカパウダーの風味と、キャベツの旨味で滋味あふれる一品です。

(撮影:岸千鶴)

Pohovane tikvice / ズッキーニのフライ

ズッキーニに衣をつけて揚げたシンプルな付け合わせですが、ひとつ口にすると不思議とあとをひく一品。

そして、はじめて食べるのに懐かしさを感じるのは何故だろう。。。と考えてみると、サツマイモの天婦羅に通じるホクホクとした野菜の食感と揚げ油の風味のコンビネーションが理由のようです。

お母さんが揚げるそばからつまみ食いをしていた、という、レシピを教えてくれたセルビア女性の思い出話も納得です。

Leskovčka mućkalica / レスコヴァツ地方の土鍋焼き

"ムチュカリカ"はかたまり肉をパプリカで煮込んだレスコヴァツ地方の名物料理。

地方ごとにバリエーションがあるということですが、セルビアで一番美味しいお肉を作る町として有名なレスコヴァツ地方のレシピが人気です。

さまざまな部位の肉を組み合わせることにより、複雑な味わいが生まれています。ニンニクとスパイスで身体も温まるセルビアンナイトの冬の定番です。

Pasulj prebranac sa kobasicama / ソーセージ入りベイクドビーンズ

"プレブラナッツ"はセルビアのベイクドビーンズで、大きな白い豆をとタマネギ、パプリカの煮込み焼く伝統料理です。

クリスマス前など宗教的に肉食が禁じられている期間はベイクドビーンズのみの正式な食べ方になりますが、それ以外ではソーセージやベーコンを載せる場合もあります。

Prebranac / ベイクドビーンズ

"プレブラナッツ"はセルビアのベイクドビーンズで、大きな白い豆をとタマネギ、パプリカの煮込み焼く伝統料理です。

セルビア正教ではクリスマスイブやイースター前に肉や卵、乳製品、油分の多い食事が禁じられています。

プレブラナッツと魚料理が正式なクリスマスメニューです。

Pileći đuveč / 鶏肉の土鍋焼き

セルビアでは土鍋を料理に使う習慣があり、日本と似た浅いタイプは底が平らになっておりオーブン用。弥生式土器のような背の高いタイプは寸胴鍋として煮込みに使います。

はじめて習ったセルビア料理が、この鶏肉の”ジュヴェチ”でした。スープをとったあとの丸鶏をむしって骨と肉に分け、その肉を野菜といっしょに炒め煮してからオーブンで焼くという調理法は目からウロコがひたすら落ち続け、この国の料理をもっと知りたいと好奇心をつのらせるに余りある経験でした。

セルビア語の入門書に出てくる料理も鶏肉と野菜、米を使った料理。
チキンと炒めたパプリカ、タマネギの味がやさしい、初心忘るべからずの味です。

Punjene Parprike / パプリカの肉詰め

ピーマンの肉詰め料理は世界の多くの地域で見られますが、バルカン半島では緑色のピーマンではなく熟したパプリカを用います。

詰め込む肉の種類や調理方法は地域により様々で、肉に混ぜ込んだ米が柔らかくなるまでひたすらスープで煮込む方法、煮込んだのちオーブンで焼く方法、最初から最後までオーブンで焼く方法もあるようです。

マッシュポテトを付け合わせに召し上がれ。

Svadbarski kupus / 結婚式のキャベツ

”スヴァヅバルスキ・クブス”は豚の丸焼きと並び、セルビアの伝統的な宴席料理。
丸ごと発酵させたキャベツと野菜、豚肉、ベーコンを一日がかりで屋外の一抱えもある素焼きの大鍋で煮込み、ゆっくりと素材の味を引き出します。

時間が経てば経つほど発酵の酸味がキャベツの本来の甘さでまろやかになり、豚の脂とあいまって旨みがましていきます。

漂うその香りも祝いの脇役、ご馳走のうちでしょうか。

2015年のセルビア旅行では、世界遺産にも登録されているストゥデニツァ修道院を、一年で最大のお祭り「生神女誕生祭(聖母マリアの誕生日)」にあたる日に訪問。修道院で供されたディナーのメインディッシュがこの料理でした。セルビア名物の丸ごと発酵させたキャベツと豚肉が煮込んであります。

 

そのときの写真がこちらです。

Podvarak sa mesom / サワーキャベツのシチュー

サルマ(ロールキャベツ)の次に人気の発酵キャベツメニューがこちらの”ポドヴァラク”。

付け合わせとして、キャベツのみをざくざく食べる場合もありますが、ベーコンやソーセージを加えるとテーブルの主役にもんあります。

材料を炒めたのちオーブンで焼いた、いかにもの冬メニューですが、春キャベツを使って季節の変わりの疲れた身体にもやさしそうです。

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