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Hladna Predjlela / 冷菜

Ajvar / ローストパプリカのスプレッド

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ヨーロッパでは「セルビアの”畑のキャビア”」とも呼ばれる"アイヴァル"は、バルカン諸国をはじめ中東欧諸国の食卓には欠かせないアイテム。

ローストしたパプリカの皮をむき、みじんぎりにして油とあわせて煮込んだ保存食ですが、唐辛子やナス、トマトを加えることもあり、家庭ごと、地方ごとのさまざまなレシピと味があります。

クラッカーに載せてオードヴルによし、パンに塗って、肉に卵に魚介に添えて、パスタに混ぜて、何にでもあうスーパースター。

味噌のように各家庭で保存食としてつくられていたそうですが、近年ではスーパーで瓶詰が手軽に入手できるようになり、都市部ではあまり作られなくなったそうです。

 

Pečene paprike / ローストパプリカのマリネ

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ペチェネパプリケはロースとパプリカのマリネ。これぞセルビア!というひと皿です。

丸ごと焼いたパプリカの皮をむき、ニンニク風味のドレッシングでマリネしただけの料理ですが、とろりとなめらかな舌触りは、まるでトロのよう。

日本ではサラダの彩りに使われることが多く、そのものをしっかり味わうことの少ないパプリカの旨味を堪能できます。

 

Turšija / ピクルス

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日本の輸入食材店で手にするアメリカや西欧のピクルスと、中東からバルカン半島にかけて食べられる”トゥーシャ”とは少し風味が異なります。バルカンレシピは酢漬けというよりも塩漬け。ニンニクやホールスパイス、ハーブと一緒にカリフラワーやニンジン、セロリを漬け込みます。ディルの甘い香りがアクセント。

Tzatziki Salad / ギリシャのヨーグルトとニンニクのディップ

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トルコ発祥のヨーグルトにニンニク、キュウリなどを加えた前菜”ジャージュク”は、バルカン地域でも好んで食されます。

ギリシャではザジキと呼ばれ、胡瓜をすりおろして水気を切り、ディルを入れるのが特徴。

ヨーグルトの水分も少なめで、それぞれの国の美妙な違いが興味深い料理です。

Tarator Salata / セルビアのヨーグルトとニンニクのディップ

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トルコ発祥のヨーグルトにニンニク、キュウリなどを加えた前菜”ジャージュク”は、バルカン地域でも好んで食されます。

ギリシャではディルを入れるのが特徴。セルビアでは”タラトル”と呼ばれ、刻んだ胡桃が入ります。

そのほかにもヨーグルトの種類や水分量に美妙な違いが興味深い料理ですが、さっぱりとした副菜として肉にあわせるのもお勧めです。

Hleb / パン

Slavski kolač / 守護聖人の日の祝いパン

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セルビアでは各街や家庭やごとに父系で受け継がれる守護聖人を持ち、正教徒はその記念日を祝います。ユネスコ無形文化遺産にも登録され、12月19日の聖二コラウス、5月6日の聖ゲオルギオス、1月20日の洗礼者ヨハネ、1月27日の聖サヴァなどが多く祝われているそうです。

教会での儀式のために焼かれる”スラヴスキ・コラチ”はキセルビア語でスラヴァケーキを意味し、神にささげる犠牲の象徴。

キリストのシンボルである十字と聖人に関係のあるシンボル(ハトやバラ、本など)を飾るのが常です。

食卓には聖人のイコン、スラヴスキコラチが並び、主の象徴であるロウソクの灯りがコリヴォまたはジト(žito)と呼ばれる小麦のペーストに立てられます。

どことなく日本のお盆に通じるものを感じませんか?

 

わたしは日本人で守護聖人を持たないため、セルビアの修道院で記念にいただいたイコンを飾ります。

 参考記事:守護聖人を祝うSlava(スラヴァ)の儀式

Pogača / 祝福のパン

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"ポガチャ"はセルビア語で「丸いパン」という意味を持つ伝統的なパンでお祭りや伝統行事には欠かせない料理です。

一家の繁栄を願い、結婚式には花嫁がポガチャを抱え、参列者が塩をふりまきます。

直径30cmほどの大きさで、さまざまなレシピのさまざまな形があり、セルビアンナイトでも何種類かお出ししています。

Česnica / クリスマスの祝いパン

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ユリウス暦では1月14日が元旦。
セルビアではユリウス暦に則り、この日に新年を祝うそうです。

クリスマスはセルビア語でBožić(ボジッチ)といい、1月7日がその日にあたります。
Česnica(チェスニッツア)というパンを焼き、テーブルを囲んだ家族や親族で手を差し伸べてつかみ、一斉に引きちぎって中に焼き込んだコインを誰が引き当てるかで幸運を占います。

キフリツェと同じように薄力粉で焼くさっくりとした食感のパンです。

 

参考ページ "Meet the Serbs"

Lepinja / セルビアのピタパン

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”レピニャ”は粉と牛乳、水にイースト、塩胡椒を加えてつくるシンプルなパン。日本でいえば白米のようなもの。
これが美味しくて、現地ではついつい食べ過ぎてしまうのですがサイズもかなりのもの。ちょっとしたクッションか、飛行機の枕くらい(笑)
おおらかなり、バルカンサイズ。 

Google検索すると日本語でも英語でもピタパンがヒット。こちらは中東由来でアラビア、レバノン、シリアあたりから来たらしく。インドやパキスタンのナンにも言及もありました。
ナンかー。生地を伸ばしながら、チャパティーのつくり方に似ていると感じていたのは、あながち間違いでもないようで。
バルカンは文化の交差点だと改めて感じた仕込み作業。

これを食べ慣れると、以前は大好きだったバターや卵がたっぷり入ったリッチなパンが重く感じられ、私の中ではたまに食べるごちそう的な位置づけになりました。

Srpska proja / セルビアのコーンブレッド

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"プロヤ"という塩味のコーンブレッドは、最初にマスターしたパン。セルビアの代表的な郷土料理であり特別な友人に配るものだそうです。2018年1月に安倍首相のセルビア訪問時の晩餐会でもメニューに供されたそうです。

形からは甘いお菓子を想像しますが、とうもろこしの粉と強力粉、卵、牛乳と植物油にチーズ入りのしっかり塩味。お酒にもあうね、と必ず言われる人気者です。

日本で育たない地域でそば粉を育てていたように、セルビアではとうもろこしの粉を小麦で代用し、コーンブレッドは貧しい人の食べものとされていたようですが、いまでは一般的な食べ物のようです。

 

Kiflice / プチロール

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キフリツェというセルビアのひと口サイズのパン。
ミニクロワッサンとよく似た見た目とサイズですが、ヨーグルト、サワークリーム、植物油でさっくりとした食感。
セルビアンナイトでは、黒ゴマはベーコン入り、白ごまはカッテージチーズ入りが定番。小さいけれど食べごたえのあるスナックです。

Eliopsomo / 修道院のオリーブ入りパン

Eliopsomo / 修道院のオリーブ入りパン

ギリシャ北部のアトス山はエーゲ海に突き出した半島にそびえる東方正教会の聖地。女人禁制で修道士たちが自給自足の生活で祈りを捧げています。

このレシピはアトス山の修道院で実際に使われているそうです。

世俗的な生活を営む我々にとっては、オリーブとパプリカの風味がワインやラキヤとの相性がぴったりのパン。

Uštipci / リカ地方のドーナッツ

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クロアチアに旅行中、どこへ行っても出てくるこのドーナツが、はずれなく美味しくて、レシピを知りたいと考えていましたが、Bravo!

『イェレナと学ぶセルビア料理』に掲載されていました。

ニコラ・テスラの出身地である、クロアチア内のセルビア人居住区リカ地方のメニューです。

味の秘密は風味づけに使うラキヤとレモン。スイーツ好きだけでなく、ラキヤが好きな方にはぜひ試していただきたいドーナツです。

Pogacice / スコーン

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セルビアのスコーンは、強力粉とバター、牛乳などでつくります。イーストで軽く発酵させてかりっと焼き上げ、ヨーグルトやクロテッドクリームとあわせるそうです。まさに「おばあちゃんのお手製おやつ」のような、日本人でも懐かしさを感じるお菓子です。

Salate / サラダ

Srpska Salata / セルビアのサラダ

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セルビア風サラダ

Šopska salata / ショプスカサラータ

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"ショプスカ・サラータ"は1960年代にブルガリアの旅行キャンペーンのために考案されたレシピがバルカン半島全域ひ広まったサラダです。

ブルガリア、セルビア、マケドニアにまたがり、山岳牧畜民の多く居住するショプ地方を名前の由来とし、「羊飼いのサラダ」というニュアンスも含みます。

地域やシチュエーションにより、レシピに若干の差がみられますが、角切りにした野菜にシレネという、山羊や羊のチーズをたっぷりと振りかけるのが特徴です。

一度口にすれば人気にも納得。何度食べても飽きない味です。

Ruska salata / ロシア風サラダ

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"ルスカ・サラータ"は、セルビア語で「ロシア風のサラダ」という意味。ロシアのよく似た料理ははオリヴィエ・サラダと呼ばれているそうですが、セルビアでの呼び名の由来は、ロシア人が大好きなマヨネーズを使うことからきているのでしょうか。
サワークリームとマスタード、ピクルスの爽やかな風味で、マヨネーズが苦手なわたしもぱくぱくいける爽やかなサラダです。

(撮影:岸千鶴)

Francuska salata / フランス風サラダ

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セルビアのお祝いの席では、美しく盛り付けたマヨネーズベースのポテトサラダが人気です。

”フランツスカサラタ”はセルビア語で「フランス風のサラダ」という意味で、ハムが入った”ルスカサラタ(ロシア風サラダ)”に次ぐ人気で。

ハムに替わり胡桃が入っているのが特徴です。りんごを入れることもあるそうです。

サワークリームとマスタード、レモン果汁、ピクルスの爽やかな酸味が特徴です。

Paradajz salata / トマトサラダ

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2015年のセルビアクッキングツアーで食事のたびに「パプリカ、パラダイス」という言葉を聞き、そうか、セルビアはパプリカがたくさん獲れるから「パプリカ天国」と自慢しているんだな、と解釈していたら大間違い。パプリカのローストとともに、行く先々で出されたこのサラダが「パラダイス・サラータ」。パラダイスはトマトを意味するセルビア語だったのです(笑)

グリーンサラダと並んで、このトマトサラダも「どうやって味をつけたの?」と尋ねられることの多い料理です。ワインヴィネガーとオリーブオイル、塩胡椒だけの簡単な味付けですが、その勘どころはおそらくトマトの種のまわりのちゅるちゅるした部分と、水にさらさない、辛いままのタマネギからくる風味でしょうか。

Zelena salata / グリーンサラダ

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どのお酢と油を使うかでその料理の国籍が決まる、と聞いたことがあります。レタスとワケギ、ラディッシュにオリーブをあわせたこのサラダ。「なにこれーっ!セルビアの味がする!!どうやって再現したのー?」と、セルビアの人たちから賞賛をうけましたが、その秘密はドレッシングに使ったレモン汁とオリーブオイルです。

Mimoza salata / ミモザサラダ

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"ミモザサラダ"は、セルビアで人気のパーティーメニューです。マッシュポテト、サワークリームのソース、ハム、ピクルス、ゆで玉子、チーズと重ねていき、最後にサワークリームで蓋をして卵黄をミモザの花に見立てて飾ります。断面の美しさと層が奏でる味の変化も魅力のひとつ。毎年、春待つ時期につくりたくなるサラダです。

Raw Apple Cider Vinegar / りんご酢

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"Every best things come from Home Made" 「いいものはみんな自家製なのよねー」。
セルビアで質のよい食材を手に入れるには、どこへ買いにいけばばいいの?という質問によく聞く言葉がこれ。アイバルの名人は誰それ、ラキヤは誰それのおじさん、アップルビネガーはあの人、というふうに、それぞれの街に、それぞれのスペシャリストが居るようです。

「料理の国籍は、そのメニューに何の酢と油を使うかで決まる」とは、元同僚のシェフの言葉。セルビアのお酢はリンゴ酢かワインビネガー。「ワインビネガーは日本でも手に入るけど、リンゴ酢はちょっと違うんだよね、日本のものは。」と、在日セルビア人。


ならば自家製してみようではないか。ということで、私もリンゴ酢は自家製しています。

Supe i Čorbe / スープ

Begova čorba/ 族長(ベグ)のスープ

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ベゴヴァチョルバは、ボスニアとヘルツェゴヴィナの伝統的なオクラと鶏肉のスープです。

ベグ(ベゴヴァ)は、「族長」を意味するオスマン帝国時代の地方行政官の称号であり、ふんだんに使われた肉が支配階級の贅沢を象徴しています。これにパンとサラダを加えてメインメニューとすることもできます。

日本では整腸作用と豊富なビタミンで人気のオクラは、精力剤として知られているとか。現地のオクラは日本のものよりもサイズが小さく、乾燥したものを水やレモン水で戻して使用するそうです。

Krem čorba od Celera / セロリのクリームスープ

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ポタージュといえば、ぱっと思い浮かぶ素材はじゃがいもやコーン、むらさきいも、かぼちゃ、といったところでしょうか。
こちらのポタージュの主役はセロリです。

セロリはセルビアのスープやソースにとてもよく使われる食材で、そういえば人気のハーブ調味料"Vegeta"や"Zatin C"の香りにもセロリの要素が。
冬は温かく、夏は冷製でお出ししています。

第二次世界大戦中から没するまで35年間大統領つとめ、旧ユーゴスラビアに最も影響を与え、大食漢で美食家でもあったチトー大統領も好んだスープということです。

Paslj / ベーコンと豆のスープ

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セルビアには"prosto kao pasulj" 「パスリのように簡単だ」という慣用句があるほど、旧ユーゴスラヴィアで愛される白い豆のスープです。

宗教的に肉食が禁じられている時期には豆と野菜のみで。たいていはベーコンやハムなどの燻製肉とともに煮込み、プレブラナッツ(ベイクドビーンズ)と並ぶ冬の豆料理の代表です。

 

Teleća čorba / 仔牛肉のスープ

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美食の国のセルビアでは当たり前に手に入るけれど、日本では高価な食材を贅沢に使用するため、メニューに載せることを諦めていた料理のひとつがこのスープ。残念ながらオリジナルレシピの食材である、骨付き仔牛の首筋肉は手に入りませんでしたが、牛のステーキ用肩肉をぶつ切りにして、前日からことこと煮込み。仕上げにヨーグルトと卵で味を整えれば、思わずうなるひと皿です。

Riblja čorba / ドナウ川の漁師風スープ

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セルビアのスープには、しゃばしゃばの”ズッパ”、具だくさんの”チョールバ”の2種類があり、このピリ辛川魚のスープは”チョールバ”のほう。

山国のセルビアでは、魚料理といえば川魚。日本人ほど魚の種類にこだわらないため、どんな魚を使うか質問するとたいてい「なんでもいい」と言われます。

日本人としては、「ぇえー・・・せめて白身か赤身かくらいは教えて・・・」となるのですが、「1種類だけではなくできれば3種類以上混ぜて、アラを入れたほうが美味しいよ」とかね、そんなアドバイスをもらいます。

ということで、セルビア人化が進むわたしもその日の気分で買った魚でつくります。

Čorba od tikvički / ズッキーニのポタージュ

Čorba od tikvički / ズッキーニのポタージュ

Goulash / グーラーシュ

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グーラーシュは戦火のセルビアを、食をめぐるエピソードの聞き書きでつづった山崎佳代子著『パンと野いちご』内でもたびたび登場する料理です。ハンガリーが発祥ですが、旧ユーゴスラヴィア全域で食され、元日本代表監督オシム氏の得意料理でもあるそうです。

牛肉のスジや赤身など、いくつかの部位を交えて朝からじっくり煮込んでお出ししています。

Pileći paprikaš sa noklicama / チキンと野菜のパプリカシチュー

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”パプリカシュ”は、パプリカ風味のシチューです。こちらのメニューでは骨付き(←ここ大事!)チキンをたっぷりの野菜とともに煮込んでいます。骨から出る出汁と野菜の旨みを時間をかけて引き出す滋味あふれるシチュー。

ノクリツェという小麦粉団子が入り、秋田の「きりたんぽ」や「だまこもち」のような鍋物の雰囲気も漂います。珍しいけど、懐かしい、そんなセルビア料理の特徴を感る料理です。

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