food&wine/料理とお酒
Ajvar(アイバル) / パプリカペースト
アイバル(Ajvar)は、ヨーロッパで「セルビアの(畑の)キャビア」とも呼ばれ、食卓に欠かせないアイテムです。中東から東欧、西アフリカまで、地方ごとに名前も味もさまざまなに、野菜スプレッドのバリエーションがありますが、共通するのはパプリカやナスやトマトをベースにみじんぎりにして油とあわせて煮込むこと。旧ユーゴスラヴィア圏で愛されるアイバルの特徴は「しっかりパプリカをメインで味わう」レシピ。レスコヴァッツ地方のアイバルは欧州連合(EU)が定める原産地名称保護の対象にもなっています。近郊のドニャ・ロコシュニカ(Donja Lokošnica)村は、パプリカの都。人口1,300人約280世帯のうち、250家族がパプリカの栽培に従事し、秋の初めは村全体の軒先に吊るされた約150,000本の乾燥パプリカのリースで赤く染まります。セルビアでは、各家庭で冬の間の>保存食(Zimnica)として仕込む伝統がありますが、近年では瓶詰が手軽に入手できるようになり、都市部ではあまり行われなくなっているそうです。
そのままサラダとして。また、クラッカーに載せてオードヴルに。パンに塗って。肉に卵に魚介に添えてソースに。料理に加えて調味料の役割も果たし、主役にも脇役にもなるスーパースター。セルビア産アイバルは、オンラインショップでお買い求めいただけます(オリジナル味)(スパイシー味)。
原材料名:赤パプリカ、サンフラワーオイル、塩、酢、香辛料
Turšija(トゥーシャ) / ピクルス
中東からバルカン半島にかけて食べられる”トゥーシャ”(トルコ語はTurşu)は、日本の輸入食材店で手にするアメリカや西欧のピクルスと、少し風味が異なります。塩と酢にニンニクやホールスパイス、ハーブを効かせて野菜を漬け込みます。ディルの甘い香りがアクセント。
材料:
ワインビネガーl、塩、砂糖、ディル、マスタードシード、胡椒、コリアンダー、ベイリーフ、ニンニク、野菜はキュウリ、人参、カリフラワー、キャベツなど
Kiseli Kupus(キセリ・クプス)/ 発酵キャベツ
”キセリ・クプス”はバルカン半島でキャベツの収穫期である夏の終わりから秋にかけてにつくられる保存食です。そのままサラダとしても食されますが、披露宴の定番であるスヴァドバルスキ・クプス(Svadbarski kupus)、ロールキャベツのサルマ(Sarma)、ポドヴァラック(Podvarak)などにも使われ、冬の味覚の代表的な食材です。
大ぶりの樽型の容器に丸ごとのキャベツと塩で漬け込み、キャベツが持つ糖分の乳酸発酵を利用するため、千切りを酢漬けするドイツのザワークラウトとは似て非なる食品です。使用するキャベツは葉が薄く、固く結球する品種が適しています。
作り方:
キャベツの芯をくり抜き、空洞部分にキャベツの重さの3-6%の塩をつめ、まわりにもまぶします。漬物容器にできるだけ密にになるよう詰め込み、ぬるま湯をひたひたになるよう注ぎます。キャベツが空気に触れないよう重石をし、時々ゆすって塩水をいきわたらせます。3週間ほどでキャベツ全体がやわらかく、ぺしゃんこになれば完成。2-3カ月頃が食べごろです。
※必ず日中の最高気温が18℃になってから漬け込むこと。それよりも気温が高い場合や、塩分濃度が低すぎると腐敗の原因になります。
材料:
キャベツ、塩