food&wine/料理とお酒
Sarma(サルマ)/ サワーキャベツで巻いたロールキャベツ
"サルマ"はバルカン半島の冬の定番料理。セルビアでは、このロールキャベツが上手にできようになると「сада се можеш удати(これでお嫁にいけるね」」と言うそうです。
地域や家庭によりさまざまなレシピがありますが、日本の一般的なレシピとの違いは、材料にキャベツに丸ごと発酵させたキャベツ(Kiseli Kupus)を使うことと、味付けにパプリカを使うこと、肉のつなぎがパン粉ではなく米であること、ひと口サイズであることなど。セルビアのバリエーションでも、調理方法は炒める油が植物性だったり、ラードだったり。肉を生のまま包んだり、炒めてからだったり。鍋で煮るやり方、オーブンで焼くやり方、煮てから焼くやり方、などなど、手をかけようと思えばいくらでもかけられる料理です。
キャベツは塩漬けにより水分が抜け、繊維が柔らかくなっているため下茹での必要はありません。加熱で引き出される甘みと、乳酸発酵による酸味をあわせもつキャベツが、肉と、その旨味を吸い込んで柔らかくなった米を包み込み、滋味あふれる一品です。
材料:
発酵キャベツ、タマネギ、豚肉、牛肉、米、卵、ベーコン、パプリカパウダー、ニンニク、ベイリーフ、植物油、塩、胡椒
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【レシピ】
材料 (30個): 発酵キャベツ:1個
タマネギ(みじん切り):2/3個、 豚ばらベーコン:100g、ニンニク(つぶす):1片、植物油、合挽肉:300g、 米(洗う):30g、イタリアンパセリ(みじん切り):1/2 束、卵:1/2個、ヴェゲタ:小さじ2、スイートパプリカ:小さじ2、塩、胡椒ベイリーフ:1枚
“Zaprška”ソース
植物油:50ml、薄力粉:大さじ1 1/2、スイートパプリカ:小さじ1、トマトペースト:2/3包、水:150ml、ドライパセリ:少々
作り方:
1. フライパンに油をひき、ベーコンに焼き目をつける。
2. 残った油でニンニクとタマネギを色づくまで炒める。
3. キャベツの葉を丁寧に広げ、芯を取り除いて半分の大きさに切る。
4. ボウルに合挽肉、米、ヴェゲタ、スイートパプリカ、塩、胡椒、イタリアンパセリ、卵を入れてよく混ぜる。さらに、炒めたタマネギを加えて練る。
5. テーブルスプーン1杯の具材を、開いたキャベツの葉の左側に載せ、くるりと巻き込む。
6. オーブン皿の底にキャベツの葉を敷き、サルマを平行に並べていく。隙間に1のベーコンと3の芯、ベイリーフを詰め込む。
7. ひたひたになるまで湯を注ぎ、キャベツの葉で蓋をし、200℃のオーブンで120-150分焼く。
8. “Zaprška”ソースをつくる。フライパンに油をいれ、中火で薄力粉が色づくまで炒める。パプリカパウダーとトマトペーストを加え、とろみがつくまで煮詰める。
9. 2時間ほど加熱したサルマの上にソースを注ぎ、さらに15-20分加熱する。
10. ドライパセリを振り、ベーコン、マッシュポテトを添えて盛り付ける。
※発酵キャベツ(Kiseli Kupus)は、キャベツを丸ごと発酵させたバルカン半島の郷土料理です(日本の白菜漬けのように大樽で漬ける。野沢菜のように、いろいろな料理の食材としても活用)
※ヴェゲタはバルカン半島の「だしの素」のような調味料。Amazon等で購入可能。