food&wine/料理とお酒
Čorbe i Supe / シチューとスープ
Svadbarski Kupus(スヴァドバルスキ・クプス) / サワーキャベツのシチュー
Svadbarski kupus(スヴァドバルスキ・クプス)は、文化的な背景の説明ぬきでは語れないセルビア西部(中央セルビアのシュマディヤ地方より西)の代表料理です。
名前の由来は、直訳すると「スヴァドバ=結婚式」「クプス=キャベツ」で「結婚式の(参列者の)キャベツ」。また「結婚式の」という形容詞「スヴァドバル」は10月の古い呼び名ということです。冬の食卓に欠かせないサワーキャベツ(発酵キャベツ)は漬け込みに2か月ほどかかりますが、結婚式の集中する秋に間に合うよう、この料理では7-10日ほどで調理可能になる早漬けタイプが使われるそうです。
田舎の結婚式では参列者が100-200名にもおよび、その胃袋を満たすため、大鍋で材料を終日かけて煮込みます。その鍋の大きさは、子どもがすっぽりおさまるほど。味わいは、キャベツの発酵臭にはじめは驚きますが、本場のアウトドア・クッキングでは漂うその香りも祝いの脇役でしょうか。乳酸発酵の酸味と、煮込みから生まれる野菜本来の甘み、肉の旨味があいまって、時間をかければかけるほど旨味が増す、セルビアン・スローフードの王様です。
材料: