food&wine/料理とお酒

Hleb / パン

Lepinja(レピニャ) / ピタパン

”レピニャ”は粉と牛乳、水にイースト、塩胡椒を加えてつくるシンプルなピタパン。インドからアドリア海までの広大な地域で愛されている平たいパンです。

日本でいえば白米のようなもの。これが美味しくて、現地ではついつい食べ過ぎてしまうのですがサイズもかなりのもの。ちょっとしたクッションか、飛行機の枕くらい(笑) おおらかなり、バルカンサイズ。 
これを食べ慣れると、以前は大好きだったバターや卵がたっぷり入ったリッチなパンが重く感じられ、私の中ではたまに食べるごちそう的な位置づけになりました。

材料: 

小麦粉、ライ麦粉、牛乳、イースト、塩、砂糖

Proja(プロヤ) / コーンブレッド

日本では米が育たない地域でそば粉を栽培していたように、セルビアでは小麦の代用としてトウモロコシを育て、コーンブレッドは貧しい人の食べものとされていたそうです。それもいまは昔。"プロヤ"と呼ばれるコーンブレッドは、現在では特別な友人に配るものと位置づけられる、セルビアの代表的な郷土料理です。2018年1月に安倍首相がセルビアを初訪問した際の晩餐会でもメニューに供されたという逸話も。形からは甘いお菓子を想像しますが、とうもろこしの粉と強力粉、卵、牛乳と植物油にチーズ入りのしっかり塩味。お酒にもあうね、と必ず言われる人気者です。

材料:

小麦粉、コーンフラワー、チーズ、卵、牛乳、植物油、ベーキングパウダー

Pogača(ポガチャ) / 竈(かまど)パン

"ポガチャ"は、トルコ発祥のふんわりとした生地のパン(トルコ語=Poğaça、セルビア語=Pogača)。「丸いパン」でという意味の名前です。日常の食卓には大振りでシンプルな円形のパンがのぼりますが、クリスマス、イースターや「スラヴァ(守護聖人の祝日)」などの「ハレ」の日には、小麦粉でさまざまな象徴的モチーフの装飾を施したポガチャが焼かれます。結婚式では、一家の繁栄の象徴として花嫁が抱え、参列者が新郎新婦にライスシャワーならぬ塩のシャワーをふりまきます。

材料:

小麦粉、牛乳、植物油、ヨーグルト、卵、イースト、塩、砂糖

Slavski kolač(スラヴスキ・コラチ) / 守護聖人の日の祝いパン

セルビアでは各街や家庭やごとに父系で受け継がれる守護聖人を持ち、正教徒はその記念日を祝います。ユネスコ無形文化遺産にも登録され、12月19日の聖二コラウス、5月6日の聖ゲオルギオス、1月20日の洗礼者ヨハネ、1月27日の聖サヴァなどが多く祝われているそうです。

教会での儀式のために焼かれる”スラヴスキ・コラチ”はキセルビア語でスラヴァケーキを意味し、神にささげる犠牲の象徴です。キリストのシンボルである十字と聖人に関係のあるシンボル(ハトやバラ、本など)を飾るのが常です。食卓には聖人のイコン、スラヴスキコラチが並び、主の象徴であるロウソクの灯りがコリヴォまたはジト(žitoと呼ばれる小麦のペーストに立てられます。どことなく日本のお盆に通じるものを感じませんか?わたしは日本人で守護聖人を持たないため、セルビアの修道院で記念にいただいたイコンを飾ります。

 参考記事:守護聖人を祝うSlava(スラヴァ)の儀式

材料:

小麦粉、牛乳、植物油、ヨーグルト、卵、イースト、塩、砂糖、ゼラチン

Božićna Česnica(ボヅィツィナ・チェスニッツア) / クリスマスのパン

セルビア正教会では、ローマ皇帝カエサルにより紀元前45年に定められたユリウス暦に則り祝日を祝います。1年のはじまりはグレゴリオ暦より2週間遅れの1月14日。クリスマスはセルビア語でBožić(ボジッチ)といい、1月7日がその日にあたります。前日の6日は祝いの準備が行われ、この日まで肉、卵、乳製品が禁じられた禊の期間です。クリスマス当日には豚の丸焼きなどのご馳走を用意し、早朝の夜明け前に特別に焼いたČesnica(チェスニッツア)というパンに、教会で祝福を受けます。

チェスニッツァは、クリスマスの最も重要なシンボルの1つであり、「共有」を意味する古い単語「čest」にちなんでその名前が付けられました。地域ごとに異なるレシピがあり、幸福と健康のさまざまなシンボル、またはキリストのモノグラムで飾られています。帰宅後、テーブルを囲んだ家族や親族でチェスニッツァに手を差し伸べてつかみ、三周回したのち一斉に引きちぎって中に焼き込んだコインを誰が引き当てるかで一年の幸運を占います。

材料:

小麦粉、牛乳、卵、オリーブオイル、イースト、砂糖、塩

Pogacice(ポガチッツェ) / スコーン

セルビアのスコーンは、強力粉とバター、牛乳などでつくります。イーストで軽く発酵させてかりっと焼き上げ、ヨーグルトやクロテッドクリームとあわせるそうです。

材料:

小麦粉、牛乳、クロテッドクリームまたはチーズ、バター、卵、イースト、砂糖、塩、ゴマ

Kiflice(キフリツェ) / プチロール

キフリツェというセルビアのひと口サイズのパン。ミニクロワッサンとよく似た見た目とサイズですが、ヨーグルト、サワークリーム、植物油でさっくりとした食感。セルビアンナイトでは、黒ゴマはベーコン入り、白ごまはカッテージチーズ入りが定番。小さいけれど食べごたえのあるスナックです。

材料:

小麦粉、牛乳、植物油、ヨーグルト、サワークリーム、イースト、卵、バター、砂糖、塩、ベーキングパウダー、ゴマ、具はチーズやベーコンなど

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