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2020 / 09 / 09  19:47

【online shop】新商品のお知らせ『ロシア・中欧・バルカン世界のことばと文化』

【web shop】新商品のお知らせ『ロシア・中欧・バルカン世界のことばと文化』

「いわば非西欧的ヨーロッパといってよいこの地域を言語学的に性格づけると、そこにはいくつかの共通の特徴が認められる。

 歴史的に見るならば、第一の特徴はこの地域は西欧と比較すると共通してキリスト教の受容が遅れ、このため文字の登場も遅れたことである。このことはこの地域においては文字で記述された言語資料の出現が遅かった半面、口頭伝承の伝統が強力である、というもう一つの特徴と結びついている。ロシア、ウクライナ、セルビア、ツルナゴーラ(モンテネグロ)などでは、19世紀から20世紀まで口頭で語られる民族叙事詩の伝統が存続していた。

(中略)

 例えばロシア・中欧・バルカン地域では、クリスマス・イヴあるいはこの日から公現祭までの毎晩、若者がグループを作ってクリスマス・キャロルを歌いながら家々を門付けして歩く風習が広く知られている。このとき歌われるクリスマス・キャロルの名称はスラヴ圏で共通の語形を持ち(ロシア語、ウクライナ語koljada、ベラルーシ語kaljada、ブルガリア語、セルビア語、クロアチア語、チェコ語、スロヴァキア語koleda、ポーランド語kolęda)、ルーマニア語、現代ギリシア語でも共通の呼称を持つ(colindă、κάλαντα)。これらの語は中世ラテン語で書く月の初旬を意味するcalendae(カレンダー calendarの語源)に由来し、calendaeの-en-がポーランド語では鼻母音ęで移されていることから、スラヴ語には共通スラヴ語がこの鼻母音を保持していた時代に借用された、と推定される」(はじめに より)


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2020 / 09 / 05  22:48

【food&wine】セルビアワイン( Srpsko Vino)について ⓶気候・風土・土壌 を追加しました

【blog】セルビアワイン( Srpsko Vino)について⓶気候・風土・土壌 を追加しました

 主題の「ワイン」からは少し離れてしまいますが。パプリカの実りで真っ赤に染まる大地の写真を目にするたびに、セルビアのこの土壌の豊かさの秘密は何だろう・・・と、常々頭をひねっておりました。

その長年の疑問の答えが、いまここに。

 ワイン産地の分類は、その地域の気候変動、土壌タイプ、植物、人間への影響など、特定の地域の相互作用する生態系(=テロワール)に基づいて行われる。世界のトップワインのほとんどは、北半球と南半球の緯度30°と50°の間の「ワインベルト」に位置しており、この地域のテロワールはブドウやワインの品質に重要な役割を果たしている。世界のワイン生産地域を比較することにより、テロワールとワインの品質の間に関係を確立することもまた、可能である。セルビアは、中央ヨーロッパと南東ヨーロッパの交差点にあり、その範囲は北部のカルパチア山脈・アルプス山脈・ディナル・アルプス山脈の尾根に囲まれた肥沃な盆地の南端から、南東の古代の山と丘に及んでいる。緯度は高品質のブドウの収穫がみこまれる北緯41°から47°の間である。

  

続きはリンクのページにて

 (写真はSerbia com. Dragoljub Zamurović – Serbia, life and customsより)

2020 / 09 / 03  14:18

【online shop】新商品のお知らせ『料理でわかるヨーロッパ各国気質―ここまで違う!欧州20カ国の国民性診断』

【web shop】『料理でわかるヨーロッパ各国気質―ここまで違う!欧州20カ国の国民性診断』

本書は欧州20カ国の名物料理を題材とし、国民性を解説しています。

訪れた経験のある国、食べたことのある料理だけではなく、未知の国についてのエピソードも興味深い。個人的には、フランスのエリゼ宮で大統領が国費をもてなす際のワインの選び方で、フランスの客人に対する格付けがわかってしまう、というあたり。

こわいですね。。。

著者がベオグラード在住という背景から、巻末にセルビア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナの旧ユーゴスラヴィアが並び、本書は1/5をバルカン諸国が占めています。もちろん、あの人気のストリートフードや、パプリカペーストのアイバルの紹介も!

中盤のハンガリー、オーストリアと最終章のルコを含め、各国の関係性が郷土料理に与えた影響も読み取ることかできます。

ヨーロッパ、食い倒れの旅の準備にお勧め。

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ベストセラーでおなじみの著者が、欧州20ヵ国余の料理と、その誕生に隠された国民性の謎に迫る、料理から見たヨーロッパ論!

料理が変われば、国民性も変わる!?

イギリス、フランス、ドイツはもちろん北欧三国、そして南欧から東欧などヨーロッパ20ヵ国余をフォロー。どこかで聞いたことのある話から知られざるエピソードまで、ヨーロッパ各地の料理にまつわる雑学と豆知識を定評ある解説で展開。王室や宮殿から、庶民の食べ物、伝統のワイン、ウイスキー、国民的スイーツにいたるまで、日本人と関係の深い話題性のあるトピックももりだくさん!

 

詳細とご注文はリンクの商品ページからから

2020 / 09 / 02  14:47

【food&wine】セルビアワイン(Srpsko Vino)について ①歴史 を追加しました

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  セルビアでは、ワインの生産に適したヴィティス・ヴィニフェラ(Vitis vinifera)種のブドウはロザ(Loza)と呼ばれ、それ以外の別のブドウ(グロージャGrožđa)と区別されている。ロザの語源は、スラヴ語の動詞laziti、lestiである。ブドウの樹もヴィノヴァ・ロザ(vinova loza)という名を持ち、Lozaという言葉はワイン用ブドウの樹に厳密に関連付けられている。 

 バルカンの激動の歴史は、ブドウ栽培の発展における浮き沈みに影響を与えた。イリュリヤ人、トラキア人、ケルト人は、この地域にローマ人が到着する前からブドウ栽培を行っていた。ブドウ栽培の初期の痕跡は、現在のヴォイヴォディナ州にあるシルミウム遺跡で、鉄器時代と青銅器時代(紀元前400〜200年)に属する野生ブドウの化石が発見された。また、ベオグラード地方のヴィンツァ遺跡(Vinča)でも、野生のブドウが発見されている。しかしながら、科学的な調査では、ヴィンツァで見つかったアンフォラから、ブドウまたは発酵小麦から作られた今日のワインやビールと同様の飲み物を含んでいたことは確認されていない。

 

続きはリンクのページにて

2020 / 08 / 31  17:28

【food&wine】セルビアのラキヤ(Srpska Rakija )について を追加しました

【blog】セルビアのラキヤについて Srbska Rakija を追加しました

 ブランデーは15世紀頃にヨーロッパの宮廷で人気を得たが、セルビアでの生産は19世紀の終わりまで行われなかった。蒸留技術は、中世にアラブ社会からオスマン帝国を経由してバルカンに伝えられた。比較的遅いはじまりであるが、セルビアのブランデーは優れた品質を有している。標高の高い山間部では、ワインに適した糖度の高いブドウが生育しないため、プラム、杏などの果実を利用したラキヤ(Rakija)と呼ばれるフルーツブランデーがつくられようになった。名称はトルコの蒸留酒ラクに由来するが、ラクとは異なる飲料に発展している。

 ラキヤは伝統料理の食前酒や、宗教儀式や冠婚葬祭の場において、“čokanjčić“と呼ばれるショットグラスでふるまわれる。セルビアでは、2,000か所の醸造所が正式登録されており、うち、約100か所が高品質のラキヤを生産している。また、民間での生産も行われている。農村世帯の生産者による販売はごく一部に限られ、多くの場合はオーク樽で熟成し、スラヴァや誕生日などの特別な機会にふるまわれる。ラキヤは長期の熟成に適し、数十年前のボトルが重要なイベントのために保存されることもまれではない。

 

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