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【online shop】新商品のお知らせ『ハザール事典 夢の狩人たちの物語』男性版/女性版

かつて実在し、その後歴史上から姿を消してしまった謎の民族ハザール族。 そのハザール族はユダヤ教、イスラーム教、キリスト教と次々に改宗したのだといいます。
その改宗問題について語った項目が45収められた事典。しかも、キリスト教関連の項目を集めた赤色の書、イスラーム教関連の項目を集めた緑色の書、ユダヤ教関連の項目を集めた黄色の書という三部構成だというのですから、それだけでわくわくしませんか? 初版は1961年といわれ、それを元にした新版が本書なのです?!。
事典の形をとってはいますが、実は本書は物語集なのです。45項目のひとつひとつが、幻想と奇想に満ちた短編、掌編なのですから楽しいとしか言いようがありません。 はじめから通して読んでもいいですし、たまたま開いた項目をひとつ読んでもいいですし、赤、緑、黄の各書に同じ項目がある場合もあります。ですから、それを続けて読んでみるのもいいかもしれません。どんな読み方をしてもいいのです。
読者の数だけ読み方があると言っていいのかもしれません。
どんな読み方をしても、注意深く辛抱強い読者であれば、各項目間の結びつきを見抜けるはずなのです。 失われたハザール語で歌う鸚鵡(おうむ)、悪魔に性を奪われた王女、時間の卵を産むニワトリ、他人の夢に出没する夢の狩人……。奇想の数々を収めた本書は、オーソドックスな物語の楽しみをそなえながら、それでいてまったく新しい、まさに20世紀に書かれた21世紀の小説と言っていいのではないでしょうか。
しかもこの『ハザール事典』には、男性版と女性版があります。両版の違いはわずか10行。どちらをお選びになりますか?
そして、この創元ライブラリ版には、再録した単行本版の訳者あとがきに加え、沼野充義氏による解説が収められていますが、この解説も男女両版に少し違いがあります! 柳川貴代さんの素敵なカバーデザインで、このバルカンの鬼才パヴィチの奇想小説を是非お楽しみください。(事典なのに小説? ――20世紀に書かれた21世紀の小説 『ハザール事典』ミロラド・パヴィチ/工藤幸雄訳[2015年11月]より)
詳細とご注文はリンクの商品ページへ(男性版)(女性版)
【online shop】新商品のお知らせ『南瓜の花が咲いたとき』

【online shop】新商品のお知らせ『バルカン・ブルース』

「著者ドゥラヴカ・ウグレシッチは1950年生まれで、ザグレブ大学で比較文学とロシア語、ロシア文学を学んでいる。74年から20年近くザグレブ大学文学理論研究所に所属し、現在は「亡命者」としてアムステルダムにとどまり、作家活動のかたわら、アムステルダム大学のスラブ学教室の客員講師をしている。
(中略)
本書の原題はThe Culture of Lies、つまり『嘘の文化』である。各国語訳はその意味を言葉の迫力とともに踏襲しているのだが、わたしは、それをそのまま日本語にした場合いまひとつ鮮明な印象を与えないのではないかと思った。なぜだろうか。旧ユーゴ地域のメディアの情報操作と文化的自己破壊について、彼女は本書で繰り返し書いている。しかし、戦争こそないものの、むしろ「嘘の文化」としては日本の言論のそら寒い現状はそれ以上なのではないだろうか。だからこそ、もはや「嘘の文化」という表題では十分に内容を伝えきらないと感じるのかもしれない。著者の了解を得たうえで、あえて所収されている別の論文のタイトルである『バルカン・ブルース』のほうを選んだのはそのためであった」(訳者解題 より)
バルカン半島の旧ユーゴ内戦(1990-95)のさなかに綴られた、クロアチアの女性作家によるエッセイ。
国民=民族的同一性を再生する「忘却と想起のテロル」を暴く、痛切な警鐘の書。
詳細とご注文はリンクの商品ページへ
【online shop】新商品のお知らせ『夢遊病者たち 1 第一次世界大戦はいかにして始まったか』

「それは20世紀最初の災厄であり、あらゆる災厄はここから湧き出した」(フリッツ・スターン)。
19世紀末から開戦までを見事に描き、異例の反響を呼んだ、第一次世界大戦研究の決定版。
史上初の総力戦、第一次世界大戦はどのように始まったのか。バルカン半島の紛争が未曾有の世界大戦へと展開する過程を克明に描いた本書は、歴史学の新たな扉を開いた。
「20世紀の最初の災厄であり、あらゆる災厄はここから湧き出した」と言われるように第一次世界大戦は20世紀を決定づけ、現在の政治的危機の源流となった。だがその全貌を捉えるのは難しい。史料は膨大かつ各国の利害関係に彩られ、「史料の世界大戦」と呼ばれる状況を呈している。
「それでもなお、1914年夏の危機の原因を追究する21世紀の読者に強い印象を与えるに違いないのは、その剥き出しの現代性のためである」(本文より)。著者クラークは、イギリス、フランス、ドイツ、セルビア、ロシアなどの多数の文書館史料を渉猟し、緻密な考証を経て、19世紀末から戦争勃発の1914年7月まで、ヨーロッパが第一次世界大戦に突入する過程を見事に浮かび上がらせる。
原著はドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、セルビア語、中国語などに翻訳され、カンディル賞優秀賞、ロサンゼルス・タイムズ書籍賞、ヘッセル=ティトマン賞、ローラ・シャノン賞に輝いている。現在の紛争の火種がすべてここにあることを示す、第一次世界大戦研究の決定版。全2巻。
詳細とご注文はリンクの商品ページにて
【schedule】2015年9月セルビア(ラシュカ近郊の修道院にて「アガペシロップ」づくり)を追加しました

キリスト教でパンはイエス・キリストの肉、ワインは血。今回のクッキングツアー最後のワークショップは、ラシュカ近郊の修道院での「アガペシロップ」作りでした。
数日前に訪れたストゥデニッツァ(Studenica)修道院は、世界遺産ということもあり観光客への対応も備え、年間最大の祝祭日で賑やかでした。今回は田園地帯にひっそりと佇む女子修道院。バスが門に到着し、ここから先入るにあたり「許可がないかぎり撮影禁止」という指示を受け、クッキングツアーの一同に緊張が走りました。
(中略)
「アガペシロップ」とは、教会の儀式で使用されるワインのこと。それまで、ふつうの赤ワインが使われていると思い込んでいましたが、それも誤りだったようです。
人生は思い込みに満ち溢れている。。。。
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