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2020/05/23

【web shop】『 バルカン―「ヨーロッパの火薬庫」の歴史』入荷のお知らせ

【web shop】『 バルカン―「ヨーロッパの火薬庫」の歴史』入荷のお知らせ

オスマン帝国からユーゴスラヴィア紛争まで

民族間紛争はヨーロッパの過去か?それとも未来か?

いま問い直される、国家とは何か?

 

 

20世紀初頭、「ヨーロッパの火薬庫」と呼ばれた南東ヨーロッパに位置するバルカン半島。東ローマ帝国、オスマン帝国、オーストリア・ハンガリー帝国の支配下で、宗教と民族が複雑に絡み合った歴史をもつ。オスマン帝国時代、住民の多くを占める正教徒たちは平和裡に暮らしていたが、帝国崩壊後彼らは民族意識に目覚め、ギリシャ、セルビア、ブルガリアなどが独立を果たす。だがそれら新興国家に待ち受けていたのは、欧州列強の思惑と果てなき民族対立だった。本書は、いま最も注目されている歴史家M・マゾワーのベストセラーを翻訳。1453年、オスマン帝国によって東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルが陥落して以降の歴史をあつかい、ユーゴ紛争とともに20世紀が終わるまでを描く。監修・村田奈々子。

 

著者略歴:

 

マーク・マゾワー Mark Mazower

1958年イギリス出身。オックスフォード大学卒業後、ジョンズホプキンス大学で修士号、オックスフォード大学で博士号取得。ロンドン大学,サセックス大学で教鞭を振るったのち、現在コロンビア大学教授。邦訳著書『暗黒の大陸――ヨーロッパの20世紀』(未来社、2015年)『国連と帝国』(慶應義塾大学出版会、2015年)『国際協調の先駆者たち』(NTT出版、2015年)

 

井上廣美(いのうえ・ひろみ)

1959年(昭和34年)生まれ。名古屋大学文学部卒業。翻訳家。

訳書『タイタン ロックフェラー帝国を創った男』上下巻(ロン・チャーナウ、日経BP社、2000年)『アレグサンダー・ハミルトン伝 アメリカを近代国家につくり上げた天才政治家』上中下巻(ロン・チャーナウ、日経BP社、2005年)『イスラエル人とは何か ユダヤを含み超える真実』(ドナ・ローゼンタール、徳間書店、2008年)ほか多数

 

目次:

謝辞

 

プロローグ バルカンという呼称

「バルカン」以前  定着した呼び名  暴力的なイメージ  異教徒に対する恐怖の記憶  「地上で最大かつもっとも強固」なオスマン帝国の退潮  ヨーロッパにあってヨーロッパでない  イスラム教徒に向けられた偏見  追放され、破壊され  自由主義者たちの裏切られた期待  オスマン帝国支配時代の語られ方  バルカンの再評価

 

第一章 国土と住民

半島内を分断し、干上がらせる山脈  使えない河川、敷けない鉄道  劣悪な道路と「神の最高の創造物」であるラクダ  近代国家の条件  バルカン半島の人口とペストの猛威  人口増加が変えたもの  「聖書時代」以来の「未開な農民」という幻想  農民を開放したのはオスマン帝国  地方エリートが私有する大規模農園の登場  山村の村々は「一種の共和国を形成」していた  山賊は英雄  都市を豊かにしたオスマン帝国の支配  「発端はむしろ農民だ」  金銭のための農業に  都市への嫌悪  政治的には取るに足りない存在  農民社会は崩壊へ

 

第二章 ネイション以前

「トルコ人じゃないよ、キリスト教徒だよ」  多くの言語、ひとつの教会  権威に通じる道は、ギリシャ語  スルタンに仕え、イスラム教に改宗したキリスト教徒の貴族たち  徐々にすすむ庶民のイスラム化  バルカンの人々の大半はキリスト教徒のまま  オスマン帝国に組み込まれていく正教会  「ファナリオティス」の登場  繁栄を続ける正教会  「あなたはあなたなりの仕方で神に仕えねばならない」  農民たちの「迷信」  「彼らは慎重に慎重を重ねて、モスクと教会へ行くのです」  慣習は神学を超越し、宗教は共存する  結婚と宗教の問題  摩擦を解消し、安全をもたらす「異説」的な慣習  宗教、改宗、異教に対する柔軟性  宗教的寛容度の濃淡  近代化が鮮明にさせた宗教的境界線  予言に基づいたオスマン帝国への反乱  オスマン帝国後の近代化の夢  急進主義への反発  ナショナリズムの広がり  切り崩され、打ち砕かれた正教会

 

第三章 東方問題

欧州列強によるバルカンへの介入  列強の思惑とイスラム教エリート層の支配  セルビアの蜂起と「独立」  ファナリオティス・イプシランディスの反乱  流血の中で生まれた独立国家ギリシャ  「ヨーロッパの病人」はまだ生きていた  独立すれば独立国家、ではない  ルーマニアの「一風変わった」成立  親ギリシャで、スルタンに忠実なブルガリア  独立は認められたが・・・  バルカン諸国の「領土拡大」の夢  列強とバルカン諸国の祖語  マケドニアをめぐる激しい対立  1908年「青年トルコ人」革命  「セルビアを滅ぼすか、さもなくば好きになるか」  オスマン帝国を支えてきたアルバニア人たちの反乱  三度のバルカン戦争  第一次世界大戦自のバルカン諸国  オスマン帝国の終焉  ヴェルサイユ体制が生み出した新たなひずみ

 

第四章 国民国家の建設

民族の原則に圧迫されるイスラム教徒  強制的な改宗、集団処刑、数万人の波んの流出  「少数派の民族の権利条約」は有効だったか  少数派の民族たちの修正主義的感情  抑圧は、むしろ国家の近代化の一側面  ナチの占領がもたらした民族間の内戦  ドイツ軍撤退後の民族問題  喫緊の課題は「食糧自給」と「経済の安定化」  政治力が弱かった農民政党  経済危機と揺らぐ議会政治  議会の解散、国王の独裁  第二次世界大戦終結と共産主義の台頭  ギリシャの場合、共産主義国家の場合  急速な都市化と都市の発展  共産主義政権のほころび  高まるナショナリズムの行方  チトーのユーゴスラヴィア  大セルビアを夢見たミロシェヴィッチ、独立を目指すアルバニア人  嵐は去りて・・・

 

エピローグ 暴力について

バルカンに暴力をもたらしたもの  「自制」のきいた「必要な」暴力  変わりゆく刑罰のかたち  バルカンは暴力的、は本当か  残忍さの根源とは  バルカンの歴史を理解するということ

 

解題

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年表

索引

 

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