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2020/04/26

【web shop】『バルカンを知るための66章【第2版】』入荷のお知らせ

【web shop】『バルカンを知るための66章【第2版】』入荷のお知らせ

混乱と紛争の絶えなかった激動のバルカン。だが、この地には多くの民族が集まり、豊かな歴史と文化を育んできた。いま、EUへの統合と、中東からの難民の通り道となっている「地域としてのバルカン」の共通性と多様性を紹介し、今後の「共生の地」を考える。

 

「9部から構成されている目次を見るとわかるとおり、本書はバルカンにある現在の8ヵ国を一国づつ知るための体裁をとっていない。19世紀以降、現在までに建国されたバルカンを個別に知ることは重要ではあるが、近代の産物である国民国家に捕らわれすぎてしまうと各国の個別性ばかりに目が向いてしまい、バルカン地域に共通するものが見えなくなる危険性があるからだ。そこで、本書を編集する際の方針として①国別のトピックスの束にしないこと②地域としてのバルカンに共通する面を積極的に描くこと③比較の視点を重視することの3点をあげ、これらのことを執筆者全員の共通事項として確認することにした。特に、第Ⅰ部の「歴史から」、第Ⅱ部の「都市めぐり」、第Ⅲ部の「民族を超える、国を超える」ではこれらの点を十分に考慮して執筆いただいたが、それが成功しているかどうかは読者の判断に委ねたいと思う。(はじめに より)」

 

目次:

はじめに

Ⅰ 歴史から

神話化される中世バルカン王国――生き続けるナショナリズム/歴史と口承文芸――今に生きるコソヴォ史観/ドラキュラのふるさと――ヴラド串刺公と吸血鬼伝説/柔らかな専制――オスマン帝国の統治と宗教/地方の名望家アーヤーン――バルカンの地域権力体現者/匪賊のネットワーク――クレフテスの理想と現実/「東方問題」とバルカン――国際関係の中の独立運動/「マケドニアに自治を」――VMROとイリンデン蜂起/オスマンの遺産をめぐって――バルカン戦争/さまざまな人の移動――バルカンにおける移民・難民/バルカン連邦構想の系譜――相克を超える協調の動き/抵抗運動の中の内戦――バルカンにおける第二次世界大戦/ギリシア内戦と冷戦――西側陣営の「飛び地」ギリシア/庶民の知恵「居酒屋政治」――社会主義と小話/ユーゴスラヴィア紛争と暴力――なお残る火種/ 

Ⅱ 都市めぐり

ユダヤ人の町――テッサロニキとサラエヴォ/世界遺産の中世都市――ドゥブロヴニクとコトル/バルカンの中の「ヨーロッパ」――ケルキラとコルチュラ/「継続」と「断絶」と――ベオグラードとザグレブ/西方に開かれた歴史ある都市――ドゥラスとシュコダル/巡礼地――オフリドとメジュゴーリェ/バルカンにおける中欧的都市――ブラショヴとノヴィサド/ドナウ下流の二国の中心都市――ブカレストとソフィア/民族を超える、国を超える/民族の対立は伝統か?――ボスニア・ヘルツェゴヴィナ/重なりあう「民族の故地」――コソヴォ/コソヴァ/諸民族が錯綜して織なす歴史の地――トランシルヴァニア/ドナウ川の恵みを受ける多民族の平原――ヴォイヴォディナ/失われつつある多民族性と地域性――ダルマツィアの変貌/ナショナリズムへの抵抗――イストリアの挑戦/領土拡大の野心が交錯する地域――近代マケドニア/国境を越える架け橋を目指して――バトナ/深淵なる森に覆われた秘境の地――ブコヴィナ/黒海沿岸の文明の十字路――ドブロジャ

Ⅳ 暮らしと社会

家族とザドルガ――バルカンを貫く家父長制/ジェンダーから見る社会――体制の変化が男と女に与える影響/「伝承」の継承者――バルカン農民のイメージ/羊飼いの暮らし――移動する人びとと近代国家/クムとクムストヴォ――血を超える絆/ギリシア移民の歴史と現在――ディアスポラ/自然と折り合い自由を謳歌する人びと――ロマの天地/ドナウ・デルタに暮らす人びと――漁労の民リポヴァン人はスラヴ系旧教徒/聖山アトスと修道士――神と暮らす男たち/さまざまなムスリムの暮らし――地域社会の中の共生/

Ⅴ フォークロア

春が訪れる3月――マルツィショールとマルテニツァ/結婚式と葬式――輪舞と泣き歌/スラーヴァと「名の日」――聖者と祝祭/遊び――儀礼の中の遊戯、日常の遊び/結婚儀礼と悪魔払いの舞踊カルシュバルカンの踊り

Ⅵ言葉

ギリシア語の二つのかたち――ディモティキとカサレヴサ/アルバニア語、ルーマニア語と文字改革――500年にわたる「文字の旅路」/セルビア・クロアチア語の生成と解体――「ユーゴスラヴィア」の運命とともに/バルカニズムの謎――文法共通性はどこからきたか/

Ⅶ 食文化

東西文明の十字路で――麦と米の物語/おやじの味、おふくろの味――肉料理/お国自慢の赤と白――ワイン/村びとの酒――ワインとラキア/カップから香る歴史と未来――コーヒー

 Ⅷ 文化とスポーツ

「世界文学」としてのバルカン文学――エリアーデ、パヴィチ、カダレ/イコンから歴史画へ――神中心から人間中心へ/民族を超える音楽――旧ユーゴスラヴィアのポップスとロック/クストリッツァとアンゲロプロス――他者イメージの投影場所としてのバルカン/バルカン・サッカー今昔物語――東欧革命がサッカー界にもたらしたもの

Ⅸ 世界の中で

ヨーロッパ統合とバルカン――取り残される「西バルカン」/歴史教育から見た和解の試み――国民史を超えられるか/日本とバルカン――「人間の安全保障」の考えを生かして/2015年難民危機とバルカン諸国――21世紀の人の移動

 

主要参考文献

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