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Topla Predjela / 温菜(パン・スナック)

Slavski kolač / 聖人の日のパン

セルビアでは各街や家庭やごとに父系で受け継がれる守護聖人を持ち、正教徒はその記念日を祝います。

聖人の日に焼かれるこの”スラヴスキ・コラチ”はセルビア語でスラヴァケーキの意味ですが、実際にはパンと同じで、キリストのシンボルである十字と聖人に関係のあるシンボルを飾るのが通常です。

食卓には聖人のイコン、スラヴスキ・コラチ、そしてコリヴォまたはジト(žito)とも呼ばれるゆでた小麦の甘いペーストに蜜蝋ロウソクを立てたものを並べます。

わたしは日本人で守護聖人を持たないため、セルビアの修道院で記念にいただいたイコンを飾ります。

 参考記事:守護聖人を祝うSlava(スラヴァ)の儀式

Pogača / ポガチャ

"ポガチャ"はセルビア語で「丸いパン」という意味の直径25cmほどの大きなパン。

さまざまなレシピのさまざまな形があります。
セルビアンナイトのポガチャは、ヨーグルトが入り、大きく成形するのでほんのりした甘味とふっくら空気を含んだやさしい味がします。

Česnica / チェスニッツァ

ユリウス暦では1月14日が元旦。
セルビアではユリウス暦に則り、この日に新年を祝うそうです。

クリスマスはセルビア語でBožić(ボジッチ)といい、1月7日がその日にあたります。
Česnica(チェスニッツア)というパンを焼き、テーブルを囲んだ家族や親族で手を差し伸べてつかみ、一斉に引きちぎって中に焼き込んだコインを誰が引き当てるかで幸運を占います。

キフリツェと同じように薄力粉で焼くさっくりとした食感のパンです。

 

参考ページ "Meet the Serbs"

Srpska proja / コーンブレッド

"プロヤ"という塩味のコーンブレッドは、最初にマスターしたパン。セルビアの代表的な郷土料理であり特別な友人に配るものだそうです。2018年1月に安倍首相のセルビア訪問時の晩餐会でもメニューに供されたそうです。

形からは甘いお菓子を想像しますが、とうもろこしの粉と強力粉、卵、牛乳と植物油にチーズ入りのしっかり塩味。お酒にもあうね、と必ず言われる人気者です。

日本で育たない地域でそば粉を育てていたように、セルビアではとうもろこしの粉を小麦で代用し、コーンブレッドは貧しい人の食べものとされていたようですが、いまでは一般的な食べ物のようです。

Lepinja / 平たいパン

”レピニャ”は粉と牛乳、水にイースト、塩胡椒を加えてつくるシンプルなパン。日本でいえば白米のようなもの。
これが美味しくて、現地ではついつい食べ過ぎてしまうのですがサイズもかなりのもの。ちょっとしたクッションか、飛行機の枕くらい(笑)

オリジナルは8個分のレシピですが、生地を16分割して日本人には若干大き目の食べ応えサイズで焼いています。
おおらかなり、バルカンサイズ。 

Google検索すると日本語でも英語でもピタパンがヒット。こちらは中東由来でアラビア、レバノン、シリアあたりから来たらしく。インドやパキスタンのナンにも言及もありました。
ナンかー。生地を伸ばしながら、チャパティーのつくり方に似ていると感じていたのは、あながち間違いでもないようで。
バルカンは文化の交差点だと改めて感じた仕込み作業。

これを食べ慣れると、以前は大好きだったバターや卵がたっぷり入ったリッチなパンが重く感じられ、私の中ではたまに食べるごちそう的な位置づけになりました。

Burek / ボスニアの渦巻きパイ

ボスニアの渦巻きパイ"ブレク"は、生地が透き通るほどうすーく伸ばして具を巻き込みます。

オリジナルは1m四方ほどに伸ばし、30cmほどの渦巻きをつくります。

生地を4分割して15cm弱のものを4つ試作すると現地では1人分サイズ、日本では4食検討でしょうか。

セルビアではチーズ、肉、チーズと肉、の3種類が主流で、本場サラエボはポテト、ほうれん草、チーズ、肉、チーズと肉、卵など種類が豊富ということです。

Gibanica / 伝統的なチーズパイ

日本に来て一番恋しくなったのが"ギバニツァ"と在日セルビア人から聞いたこともあります。それぞれ違ったレシピで教わった回数も2度3度という人気料理。バルカン半島でとても愛されているチーズパイで、17世紀の文献にもその名が見られるそうです。ヨーグルトを添えて日常の朝ごはんやおやつとして、また、レストランやお祝いの席などにも幅広く供されます。
フィロ(ギリシャ語で「葉」の意味)と呼ばれる小麦粉、水、そして少量の油でつくったパリパリの皮とフレッシュチーズ、卵、牛乳など。複雑な断面は手ぬぐいのように、くしゅくしゅに丸めたフィロから生まれます。日本人の想像の域を超える製法ですが、やってみれば拍子抜けするほどシンプル。
頬っぺただけじゃなく、目から鱗も落ちる料理です。

Kiflice / プチロール

キフリツェというセルビアのひと口サイズのパン。
ミニクロワッサンとよく似た見た目とサイズですが、ヨーグルト、サワークリーム、植物油でさっくりとした食感。
セルビアンナイトでは、黒ゴマはベーコン入り、白ごまはカッテージチーズ入りが定番。小さいけれど食べごたえのあるスナックです。

Mladenčići / 40聖人の日の蜂蜜パン

セルビア正教の3月9日は西暦320年に殉教したローマ軍の兵士40人の兵士を記念した「セバステの40聖人殉教者」の日にあたり、Mladenciとして知られているそうです。

この日にセルビアの新婚家庭では新郎が殉教者の数にちなみ40の"Mladenčići"という小さなパンを焼き、長寿と繁栄の象徴である蜂蜜をたっぷりかけ客人をもてなす、春の訪れを告げる食べものということです。

薄力粉を使うのでさくっとした食感に蜂蜜が絡みすぎずちょうどよい。 

偶然見つけたレシピですが、3月9日はわたしの誕生日でもあり、蜂蜜好きとしては素通りできない一品です。

Pogacice / スコーン

セルビアのスコーンは、強力粉とバター、牛乳などでつくります。イーストで軽く発酵させてかりっと焼き上げ、ヨーグルトやクロテッドクリームとあわせるそうです。まさに「おばあちゃんのお手製おやつ」のような、日本人でも懐かしさを感じるお菓子です。

Kiš sa sirom i spanaćem / チーズ・ほうれん草入りのセルビア風キッシュ

キッシュはフランスの郷土料理ですが、セルビア風につくるとこうなる、というレシピです。

ほうれん草とチーズは、これぞセルビア!という組み合わせ。ブレクという渦巻き型のパンや、パイでも人気のフィリング。

食べているとセルビアを思い出して、チケットを取りたくなる味。。。。。
(笑)

Supe i Corbe / スープ

Riblja čorba / 川魚のスープ

セルビアのスープには、しゃばしゃばの”ズッパ”、具だくさんの”チョールバ”の2種類があり、このピリ辛川魚のスープは”チョールバ”のほう。

山国のセルビアでは、魚料理といえば川魚。日本人ほど魚の種類にこだわらないため、どんな魚を使うか質問するとたいてい「なんでもいい」と言われます。

日本人としては、「ぇえー・・・せめて白身か赤身かくらいは教えて・・・」となるのですが、「1種類だけではなくできれば3種類以上混ぜて、アラを入れたほうが美味しいよ」とかね、そんなアドバイスをもらいます。

ということで、セルビア人化が進むわたしもその日の気分で買った魚でつくります。

Cream Celery Soup / セロリのクリームスープ

ポタージュといえば、ぱっと思い浮かぶ素材はじゃがいもやコーン、むらさきいも、かぼちゃ、といったところでしょうか。
こちらのポタージュの主役はセロリです。

セロリはセルビアのスープやソースにとてもよく使われる食材で、そういえば人気のハーブ調味料"Vegeta"や"Zatin C"の香りにもセロリの要素が。
冬は温かく、夏は冷製でお出ししています。

Pileći paprikaš sa noklicama / チキンと野菜のパプリカシチュー

”パプリカシュ”は、パプリカ風味のシチューです。こちらのメニューでは骨付き(←ここ大事!)チキンをたっぷりの野菜とともに煮込んでいます。骨から出る出汁と野菜の旨みを時間をかけて引き出す滋味あふれるシチュー。

ノクリツェという小麦粉団子が入り、秋田の「きりたんぽ」や「だまこもち」のような鍋物の雰囲気も漂います。珍しいけど、懐かしい、そんなセルビア料理の特徴を感る料理です。

Sladak kupus sa mesom / ポークとキャベツのシチュー

"スラダック"は、豚かたまり肉とベーコンと野菜をことこと煮込んで、じっくり味を引き出します。時間が料理を美味しくしてる、まさに時間が調味料のセルビアらしい煮込みです。

Bakalar na brodet / タラのブロデット

タラのブロデットは、セルビアのお隣クロアチアの料理。タラと野菜、オリーブを重ねてじっくり煮込みます。蓋をして火が通るまでそっと待つ調理法は日本の鍋料理とそっくり。仕上げに加えるハチミツが、あるとないでは大違いのかくし味。

Kuvana Jela / 温かい料理

Sarma / 丸ごと発酵キャベツで包んだロールキャベツ

"サルマ"はバルカン半島の冬の定番料理。挽き肉と米をキャベツを丸ごと3週間塩漬けで発酵させた”キセリクープス”で包んだロールキャベツ。

柔らかくなるまで煮たのち、土鍋でオーブン焼きにします。
具に混ぜたパプリカパウダーの風味と、キャベツの旨味で滋味あふれる一品です。

Podvarak sa mesom / 肉入り発酵キャベツのシチュー

サルマ(ロールキャベツ)の次に人気の発酵キャベツメニューがこちらの”ポドヴァラク”。

付け合わせとして、キャベツのみをざくざく食べる場合もありますが、ベーコンやソーセージを加えるとテーブルの主役にもんあります。

材料を炒めたのちオーブンで焼いた、いかにもの冬メニューですが、春キャベツを使って季節の変わりの疲れた身体にもやさしそうです。

Svadbarski kupus / 披露宴のキャベツ(発酵キャベツと肉の煮込み)

「Svadbarski kupus / 発酵キャベツとベーコンの煮込み」は豚の丸焼きと並び、セルビアの伝統的な宴席料理です。

2015年のセルビア旅行では、世界遺産にも登録されているストゥデニツァ修道院を、一年で最大のお祭り「生神女誕生祭(聖母マリアの誕生日)」にあたる日に訪問。修道院で供されたディナーのメインディッシュがこの料理でした。セルビア名物の丸ごと発酵させたキャベツと豚肉が煮込んであります。

屋外でひとかかえもある大きな土鍋で長時間調理します。漂うその香りも祝いの脇役、ご馳走のうちでしょうか。

そのときの写真がこちらです。

Punjene Parprike / パプリカの肉詰め

ピーマンの肉詰め料理は世界の多くの地域で見られますが、バルカン半島では緑色のピーマンではなく熟したパプリカを用います。

詰め込む肉の種類や調理方法は地域により様々で、肉に混ぜ込んだ米が柔らかくなるまでひたすらスープで煮込む方法、煮込んだのちオーブンで焼く方法、最初から最後までオーブンで焼く方法もあるようです。

マッシュポテトを付け合わせに召し上がれ。

Paprika sa sirom / パプリカとチーズのグリル

パプリカに溶き玉子とあわせたカッテージチーズを入れて焼くだけなのに、なんて美味しい!

Prebranac / ベイクドビーンズ

"プレブラナッツ"はセルビアのベイクドビーンズで、大きな白い豆をとタマネギ、パプリカの煮込み焼く伝統料理です。

セルビア正教ではクリスマスイブやイースター前に肉や卵、乳製品、油分の多い食事が禁じられています。

プレブラナッツと魚料理が正式なクリスマスメニューです。

Pasulj prebranac sa kobasicama / ソーセージ入りベイクドビーンズ

"プレブラナッツ"はセルビアのベイクドビーンズで、大きな白い豆をとタマネギ、パプリカの煮込み焼く伝統料理です。

クリスマス前など宗教的に肉食が禁じられている期間はベイクドビーンズのみの正式な食べ方になりますが、それ以外ではソーセージやベーコンを載せる場合もあります。

Pileci pilav(ピレチピラフ)/ チキンピラフ

"プレチピラフ"はセルビアの日常的な家庭料理。骨付きの鶏肉で出汁をとり、長粒米をたっぷりの野菜とともに炊き込みます。

そのまま「洋食メニュー」として日本の食卓に載せてもなんの違和感もない「ごはん」です。

Musule na buzaru / アドリア海スタイルのムール貝

”ムール貝のバケツ(型の鍋)蒸し”は、ベルギーのものが有名ですが、アドリア海スタイルは少々趣が異なります。

鍋にオリーブオイルをニンニクで香りづけし、ムール貝を入れたら熟したトマトの水分で蒸し上げます。鍋をゆすってトマトをからめ、少々の白ワインで仕上げ。ふりかけたパン粉が汁気を吸って、それもまた絶品。

こちらのほうが好みかも、という意見続出でした。

Ostala Glavna Jela / 主菜

Cevapcici / チェヴァプチチ

"チェヴァプチチ”は"チェヴァピ”とも呼ばれる挽肉料理。Pljeskavica(ピェスカヴィツァ )捏ねた”たね”をハンバーグ状に成型しますが、こちらはソーセージのように細く形作ります。どちらもタマネギのみじん切りを添えてパンに挟んだものがストリートフードとして人気です。炭火で焼くのがベストですがなかなかそうもいかないのが現状。セルビアに比べ、日本の肉は脂が多いため網で余分な油分を落としながら、わたしはオーブンで焼いています。

レシピは地方や人によりさまざまで、北部では牛・豚の合挽、南部では羊を混ぜてつくられることが多いそうです。ピェスカヴィツァと似ているとはいえ、まったく同じではつまらないので、ピェスカヴィツァを肉の旨味とニンニクでシンプルに、チェヴァプチチはそれよりもスパイシーに仕上げています。そのあたりの個々のこだわりを、食べて比べてみるのも楽しみのひとつ。

Pljeskavica / 挽き肉のグリル

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肉といえば赤身のセルビア。合挽肉をグリルした"ピェスカビツァ"は、つなぎをいれず肉の旨みぎっしりでみっちり。パンに挟んだものが人気のストリートフード。

タマネギのみじん切、アイヴァルとあわせて自作したら・・・・もうマクドナルドへは行けない^^;

Karadjordjeva snicla / セルビア王家のカツ

“カラジョルジェヴァ・スニクラ”は1959年にチトー大統領の専属料理人であったミーチャ・ヨワノビッチが考案し、セルビア王家のカラジョルジェ家の名をつけた代表的肉料理です。

肉は叩いて薄く伸ばした厚切りの牛肉または豚肉使うため、旨味たっぷり。チーズやスモークミートを巻き込んで揚げます。

現地ではカイマックという乳脂肪のフレッシュチーズが人気ですが、日本では入手困難なためクリームチーズで代用しています。

Leskovčka mućkalica(ムチュカリッツァ) / 肉と野菜の土鍋焼き

"ムチュカリッツァ"は焼肉の煮込みを土鍋で焼く料理。地方ごとにバリエーションがあるそうですが、こちらはセルビアで一番美味しいお肉を作る町として有名な南東部レスコヴァッツの伝統料理です。さまざまな部位の肉を組み合わせることにより、複雑な味わいが生まれています。ニンニクとスパイスで身体も温まり、冬めいてくると必ずつくる我が家の定番です。

Pileći đuveč / 鶏肉の土鍋焼き

セルビアでは土鍋を料理に使う習慣があり、日本と似た浅いタイプは底が平らになっておりオーブン用。弥生式土器のような背の高いタイプは寸胴鍋として煮込みに使います。

はじめて習ったセルビア料理が、この鶏肉の”ジュヴェチ”でした。スープをとったあとの丸鶏をむしって骨と肉に分け、その肉を野菜といっしょに炒め煮してからオーブンで焼くという調理法は目からウロコがひたすら落ち続け、この国の料理をもっと知りたいと好奇心をつのらせるに余りある経験でした。習ったときは手打ちパスタと一緒に焼き込みましたが、写真ではギリシャの米粒型のパスタを使ってほうろう容器で焼いています。

チキンと炒めたパプリカ、タマネギの味がやさしい、初心忘るべからずの味です。

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