food&wine/料理とお酒
ユジュニバナト地方(JUŽNOBANATSKI REJON)
ユジェニバナト(Južni Banat)地方は、南バナト郡(Južni Banat)南東部のヴルシャツ山西側斜面、およびデリブラツカ・ペスツァラ(Deliblatska peščara)地区にある。最大のワイン生産地域はヴルシャツである。
ヴルシャツ(Vršac)のワイン醸造が古代にさかのぼるとことができる。バナトの穏やかな平野とヴルシャツ山脈の90〜250mの高度と穏やかな大陸性気候が、この地域のワインの本格的で洗練された味をもたらしている。ワイン醸造に理想的な条件が得られ、高品質の白ワインが生産されている。
この地域のワインに関する最初の記録は、1494年に経済学者ブディマ(Budima)が、ハンガリー王ラディスラウス(Ladislaus)のために10.5金フォリント(forints)でヴルシャツワインの樽を購入したという裁判所の記録である。19世紀にはヴルシャツのブドウ畑はハンガリー王国で最大であり、ヨーロッパでも最大級の10,000haに広がっていた。1804年以来、ヴルシャツ市の紋章にはブドウが用いられている。1875年には記録的な収穫が行われ、5600万ℓのワインが生産された。農業は完全にワイン造りに集中していたので、ヴルシャツの人々は生活を維持するために小麦を輸入しなければならないほどであった。現在も手摘みによる収穫が行われ、最盛期には800-1200人の季節労働者が雇用されている。また、何世紀にもわたる伝統に則り多くのワインが木製の大樽で保管されている。
68.ヴルシャツ(Vršac) 地区
69.ベーラ・ツルクヴァ(Bela Crkva)地区
70.デリブラツカ・ペスツァラ(Deliblatska peščara)地区
【主な栽培品種】
(白ブドウ)イタリアンリースリング(栽培面積の50%以上を占める)、ライン・リースリング、ピノ・ブラン、シャルドネ、ムスカット・オトネル、トラミネール、クレアカ、スメデレヴカ、シュプリャンカ、シャスラ/(黒ブドウ)ムスカット・ハンブルク、フランコヴカ
【原産地呼称】
ヴルシャツのチャンピオンビール(Vršačko šampion pivo)/ヴルシャツのハム(Vršačka šunka)