food&wine/料理とお酒

Poslastice / スイーツ

Reforma Torta(レフォルマ・トルタ) / アーモンド風味のチョコレートケーキ

"Reforma Torta"は、クリスマスやイースター、聖人の日など、祝いごとの席に欠かせないケーキの女王です。直訳すると「改革のケーキ」という、社会主義国家の歴史が色濃く感じられる名を持ちます。

レシピはとてもシンプル。スポンジには小麦粉の代わりにアーモンドを挽いた粉を使います。クリームは卵黄とチョコレート、バターのみ。それぞれの素材の個性を、ぎゅっと凝縮したような濃厚なケーキです。

 

材料:

アーモンド、卵、砂糖、チョコレート、バター

Tatlii(タトリィ)/ シロップチーズケーキ

トルコ語で「甘い」という意味の、チーズケーキです。焼き上がりにレモン風味のシロップをたっぷりと浸み込ませました。

材料:

チーズ、卵、ヨーグルト、小麦粉、砂糖、バター、レモン、ベーキングパウダー

Zito(ジト) / 小麦と胡桃のクリーミーデザート

コリヴァ(Koliva)とも呼ばれるジト(Zito)は、お祝いの席のウェルカムフード。写真のように胡桃で十字に飾りをつけイコンの前に備えたり、盛り付けた皿の中央に蝋燭を立て食卓の中央に配置します。ボウルに盛り付け、食後にスプーンで取り分けるのが正式ですが、セルビアンナイトではおひとりづつに小さな容器で提供しています。

炊いた麦とナッツの粉を砂糖に甘みをつけたシンプルなレシピ。本来は行事食ですが、カフェのデザートメニューなどで楽しまれることもあるそうです。

材料:

クルミ、小麦、砂糖

Makovnjača(マコヴニャチャ)│ Štrudla sa makom(シュトゥルーダ・サ・マコム) / ポピーシードのシュトゥルーデル

日本では手に入りずらい黒いケシの実ですが、セルビアでは人気の食材です。通常、あんぱんの飾り程度でしか口にすることがないポピーシードですが、このロールの場合は主役。ケシの実の硬い歯ざわりと豊かな香りと、パンのなめらかな生地が絶妙なハーモニーを奏でます。

2011年に参加した料理教室で、「あんこ」のようにペースト状にした、たっぷりの分量をぎっしり巻き込む衝撃の体験。ポピーシードって、こんな味だったんだ!香りや歯ごたえまでがしっかりと感ぜられ、なんと贅沢!!おそるべし、バルカンの食の豊かさ。セルビア料理にはまるきっかけとなった、初めてのクラスでのデザートでした。日本では、”Bejgli(ベイグリ )”というハンガリー名で、クリスマスに焼く伝統菓子として紹介されているようです。

材料:

小麦粉、ポピシード、牛乳、卵、バター、砂糖、ハチミツ、レモン果汁、イースト、塩、シナモン、バニラエッセンス

Knedle(クネードレ)│ Gomboce(ゴンボツェ) / プラム団子

"クネードレ"(別名ゴンボツェ)は、一見ドーナツのように見えますが、マッシュポテトで果実をくるみ、茹でて甘いパン粉をまぶしたお団子です。意表をつく調理法に腰をぬかした思い出がありますが、白玉団子に似ていなくもない。郷土菓子は万国共通だなー、と改めて感じるレシピです。

しばらく忘れ去られていましたが、近年若い世代でブームとなり、プラム以外にもさまざまな具材をくるんだ専門店もあるそうです。「あれつくらないの?美味しいのに」と、たびたび旧ユーゴ圏の友人に言われても「うーん、フレッシュなプラムや桃は日本じゃあまり手に入らないし」と、二の足をふんでいましたが、ドライフルーツのプルーンを使ってみたところ、なかなかよい出来でした。

材料:

【生地】ジャガイモ、塩、卵、バター、砂糖、小麦粉

【衣】バター、植物油、パン粉、砂糖

Palačinke(パラチンケ)/ パンケーキ

”パラチンケ”は、もちっとした食感のセルビアスタイルのパンケーキ。発祥はローマ時代の中央ヨーロッパまで遡り、「平たいケーキ」という意味のラテン語が語源。地域ごとに違う名前で呼ばれ、中央~東ヨーロッパ全域で愛される、まるで「外猫」のようなスイーツです。クリームやソース、フルーツを巻き込み、凝ったデコレーションしないのがセルビア流。2017年の「東京味わいフェスタ」で出店したときは、連日完売!「日本ではなかなか食べることができないから」と、旧ユーゴスラヴィアをはじめ、近隣諸国ゆかりのお客様が「パラチンケがある!」とブースを探して来てくださったり、複数日にわたって来店され、最後にはまとめ買いというお客様もいらっしゃいました。

材料:

小麦粉、牛乳、卵

Tufahije(トゥファヒェ) / ボスニア地方の焼きりんご

写真のトゥファフィエは、ボスニア地方の焼きリンゴ。芯をくりぬきレモン風味で丸ごと煮込んだリンゴに、胡桃とヘーゼルナッツを贅沢に振りかけ生クリームをトッピング。食べる前日に調理し、冷蔵庫でひと晩寝かせると、しっとりと味が馴染みます。しゃくしゃくしたリンゴ、カリっとしたナッツに、ふんわりクリームの複雑な歯ごたえと味のバランスが絶妙なデザートです。

材料:

リンゴ、砂糖、クルミ、卵、生クリーム、レモン果汁、バニラエッセンス

Jabuka u sosu od šumskog voća(ヤブカ・ウ・ソス・シュモスコグ・ヴォーチャ) / リンゴのコンポート森のソース

果実の甘味だけで煮込んだこのレシピは、砂糖がなかった時代のコンポート。仕上げに刻んだナッツとつくはちみつをとろり。ベオグラードで習った中世のレシピです。オリジナルは洋梨でしたが、帰国後はリンゴでよくつくります。

材料:

リンゴ、イチゴ、ブラックベリー、ラズベリー、アーモンド、ハチミツ、レモン、シナモン、クローブ、洋酒

Kuglof(クグロフ) / クグロフ

どうやったらこんな味になるの?と質問を受るこのクグロフ。決め手はおそらく数種類のナッツをすり鉢でつぶすことと、その組み合わせ。柑橘系のピールも数種練り込み、すこし発酵させて焼き上げる、かつてハプスブルク帝国の一部だったドナウ川以北のスレムスキ・カルロヴィツィという町で一番伝統のある店に伝わるレシピです。その味は、イギリスのクリスマスプディングやイタリアのパネットーネを想像していただくと近いかもしれません。

材料:

小麦粉、砂糖、バター、クルミ、アーモンド、イチジク、アンズ、クランベリー、レモン、イースト、塩

Potica / ポティツァ

"ポティツァ"は、1991年にユーゴスラビア連邦から独立したスロベニア共和国で、クリスマスやイースター、親族の祝いの席などにつきものの伝統菓子です。胡桃とハチミツでつくられたフィリングを生地で巻き込んだ"povitica" あるいは"potica"という名の菓子が記された17世紀の文献もあるそうです。名前の由来となった菓子型はイエス・キリストの冠を象っており(右の写真はクグロフ型を使用)、正式なポティツァ型は底が平らです。

材料:

小麦粉、クルミ、牛乳、砂糖、バター、卵、ハチミツ、イースト、レモン、バニラエッセンス、洋酒

 

Rolada od oraha i čokolade / チョコレートとクルミのルーラード

材料:

クルミ、砂糖、チョコレート、卵、バター、オレンジ、バニラエッセンス、ココア、洋酒

Snenokle(シュネノクレ) / メレンゲとカスタードのデザート

セルビア人はメレンゲとカスタードが大好き。かなりの数のデザートにそのどちらかが使われています。”シュネノクレ”はカスタードと牛乳で茹でてマシュマロのようにしたメレンゲを層にしたデザート。チョコレートはお好みで、ということですが、あれば幸せ倍増なのでわたしはいつもプラスします。

材料 :

牛乳、砂糖、卵、小麦、バニラビーンズ、チョコレート

Moskva Shnit / モスクヴァ・シュニット

首都ベオグラードのランドマークのひとつにも数えられるホテル・モスクヴァの名物ケーキ。小麦粉の代わりにナッツを砕いたメレンゲのスポンジ層と、フルーツを挟んだカスタードクリームの重なりは、日本のどこにもありそうでなかった魅惑のハーモニー。

セルビアを代表する果物であり入手しやすいチェリーをふんだんに使い、ゴージャス感を生み出す高価なパイナップルと組合せて開発したそう。ん・・・その果物の価値観は日本と対照的。なりたちに異文化が感じられながらも、軽やかに国境を越える味覚の名レシピです。

材料:

卵、牛乳、生クリーム、コーンスターチ、クルミ、砂糖、サワーチェリー、バター、アーモンド、パイナップル、小麦粉、塩、バニラエッセンス

Plazma Torta / プラズマトルタ

”プラズマトルタ”は、セルビアの国民的ビスケット”Plazma”を使ったケーキです(日本のものでは森永の「マリー」似ています)。そのまま食べるのはもちろんのこと、お菓子の材料としてもよく使われるそうです。

こちらのケーキは、1段目はチョコレート+プラズマ、2段目はプラズマ+プリン、3段目は胡桃ケーキの魅惑の三重奏です。

材料:

牛乳、バター、プラズマビスケット、チョコレート、卵、砂糖、プリンミックス、生クリーム、クルミ、小麦粉、ベーキングパウダー 

Sladoled od Lavande(スラドレッド・オド・ラヴァンデ) / ラベンダー&クッキーアイスクリーム

ラベンダー&クッキーアイスクリームは、セルビアの国民的ビスケットPlazma(プラズマ)を使用したレシピ本”Plazmastičarnica”より。

ラベンダーの香りと、ホワイトチョコレートの甘味、クッキーのさくさくした食感がクセになります。ほのかにチョコレートのようなニュアンスが香るトルココーヒーとも好相性です。 

材料:

生クリーム、牛乳、卵、プラズマビスケット、ホワイトチョコレート、ラベンダー、砂糖

 

Mirina čokoladna Torta(ミラーナ・チョコラドナ・トルタ)/ ミラさんのチョコレートケーキ

2015年のクッキングツアー中、キノコ狩りの際に差し入れにいただいたケーキがあんまり美味しかったので、その場でレシピを教わったミラさんのチョコレートケーキです。
ヨーグルトベースのココア生地をコーヒーのほろ苦さが引き締め、たっぷり塗ったチョコレートとのバランスが大人の味覚をくすぐります。

材料:

ヨーグルト、小麦粉、チョコレート、植物油、砂糖、ベーキングパウダー、ココア、コーヒー

 

Grčki jogurt čizkejk sa Mastihom / ギリシャスタイルのヨーグルトチーズケーキ マスティハ風味

ヨーグルトやはちみつとともに、「マスティハ」で風味づけをしたさわやかなギリシャのレシピ。マスティハは、ギリシャのヒオス島南部に生息するマスティハの木(Pistacia Lentiscus Var. Chia)から採れる天然樹脂。古来から美容と健康のため、幅広い用途に展開されているそうです。美容と健康にも嬉しいお勧めスイーツです。

材料:

クリームチーズ、ヨーグルト、ビスケット、砂糖、卵、ハチミツ、バター、バニラエッセンス、マスティハ、塩

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